スッタニパータ - ブッダの言葉

投稿日:2024年1月1日 更新日:

かの尊き師・尊き人、覚った人に礼したてまつる。

【 第1 蛇の章 】

1、蛇

1 蛇の毒が身体のすみずみにひろがるのを薬で制するように、怒りが起こったのを制する修行者(比丘)は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

2 池に生える蓮華を、水にもぐって折り取るように、すっかり愛欲を断ってしまった修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。 蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

3 奔り流れる妄執の水流を涸らし尽くして余すことのない修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

4 激流が弱々しい葦の橋を壊すように、すっかり驕慢を滅し尽くした修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

5 無花果の樹の林の中に花を探し求めて得られないように、諸々の生存状態の内に堅固なものを見いださない修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

6 内に怒ることなく、世の栄枯盛衰を超越した修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。 蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

7 想念を焼き尽くして余すことなく、心の内がよく整えられた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

8 走っても疾過ぎることなく、また遅れることもなく、全てこの妄想をのり越えた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

9 走っても疾過ぎることなく、また遅れることもなく、「世間における一切のものは虚妄である」と知っている修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

10 走っても疾過ぎることなく、また遅れることもなく、「一切のものは虚妄である」と知って貪りを離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

11 走っても疾過ぎることなく、また遅れることもなく、「一切のものは虚妄である」と知って愛欲を離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

12 走っても疾過ぎることなく、また遅れることもなく、「一切のものは虚妄である」と知って憎悪を離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

13 走っても疾過ぎることなく、また遅れることもなく、「一切のものは虚妄である」と知って迷妄を離れた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

14 悪い習性がいささかも存することなく、悪の根を抜き取った修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

15 この世に還り来る縁となる煩悩から生ずるものをいささかももたない修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

16 人を生存に縛りつける原因となる妄執から生ずるものをいささかももたない修行者はこの世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

17 五つの蓋いを捨て、悩みなく、疑惑を越え、苦悩の矢を抜き去られた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。

⇒ 続きは 2、ダニヤ

※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

【 第1 蛇の章 】

1、蛇
2、ダニヤ
3、犀の角
4、田を耕すバーラドヴァージャ
5、チュンダ
6、破滅
7、賤しい人
8、慈しみ
9、雪山に住む者
10、アーラブァカという神霊
11、勝利
12、聖者

【 第2 小なる章 】

1、宝
2、なまぐさ
3、恥
4、こよなき幸せ
5、スーチローマ
6、理法にかなった行い
7、バラモンに相応しいこと
8、船
9、いかなる戒めを
10、精励
11、ラーフラ
12、ヴァンギーサ
13、正しい遍歴
14、ダンミカ

【 第3 大いなる章 】

1、出家
2、つとめ励むこと
3、みごとに説かれたこと
4、スタンダリカ・バーラドヴァージャ
5、マーガ
6、サビヤ
7、セーラ
8、矢
9、ヴァーセッタ
10、コーカーリヤ
11、ナーラカ
12、二種の観察

【 第4 八つの詩句の章 】

1、欲望
2、洞窟についての八つの詩句
3、悪意についての八つの詩句
4、清浄についての八つの詩句
5、最上についての八つの詩句
6、老い
7、ティッサ・メッテイヤ
8、パスーラ
9、マーガンディヤ
10、死ぬよりも前に
11、争闘
12、並ぶ応答 ─ 小篇
13、並ぶ応答 ─ 長篇
14、迅速
15、武器を執ること
16、サーリプッタ

【 第5 彼岸にいたる道の章 】

1、序
2、学生アジタの質問
3、学生ティッサ・メッテイヤの質問
4、学生プンナカの質問
5、学生メッタグーの質問
6、学生ドータカの質問
7、学生ウバシーヴァの質問
8、学生ナンダの質問
9、学生ヘ-マカの質問
10、学生トーデイヤの質問
11、学生カッパの質問
12、学生ジャトゥカンニンの質問
13、学生バドラーヴダの質問
14、学生ウダヤの質問
15、学生ポーサーラの質問
16、学生モーガラージャの質問
17、学生ビンギヤの質問
18、十六学生の質問の結語

なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

(キ―ワード:ブッダの言葉、仏陀の言葉、仏陀の言葉、スタニパータ、スタニパタ、スタニパータ、スッタニパータ、初期仏教)

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