1101 バドラーヴダさんがたずねた、
「執著の住所を捨て、妄執を断ち、悩み動揺することがなく、歓喜を捨て、激流を乗り越え、すでに解脱し、計らいを捨てた賢明なあなたに切にお願いします。
1102 健き人よ。あなたのお言葉を聞こうと希望して、多数の人々が諸地方から集まってきましたが、竜(ブッダ)のお言葉を聞いて、人々はここから立ち去るでしょう。彼らのために善く説明してやってください。あなたはこの理法をあるがままに知っておられるのですから。」
1103 師(ブッダ)は答えた、
「バドラーヴダよ。上にも下にも横にでも中間にでも、執著する妄執をすっかり除き去れ。世の中の何ものに執著しても、それによって悪魔が人につきまとうに至る。
1104 それ故に、修行者は明らかに知って、よく気を付け、全世界において何ものおも執してはならない。死の領域に愛著を感じているこの人々を取る執著ある人々であると観て。」
⇒ 続きは 14、学生ウダヤの質問 ⇒ 目次(はじめに戻る)
※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。
なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。
<< 戻る