【仏教用語/人物集 索引】

スッタニパータ【第2 小なる章】4、こよなき幸せ

投稿日:0202年5月28日 更新日:

 わたしが聞いたところによると、あるとき尊き師ブッダ)はサーヴァッティーのジェータ林にある孤独な人々に食を給する長者の園におられた。その時一人の容色麗しい神が、夜半を過ぎたころジェータ林を隈なく照らして、のもとに近づいた。そうしてに礼して傍らに立った。そうしてその神は、に詩を以て呼びかけた。

258 「多くの神々と人間とは、幸福を望み、幸せを思っています。最上の幸福を説いて下さい。」

259 諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること、これがこよなき幸せである。

260 適当な場所に住み、あらかじめ功徳を積んでいて、みずからは正しい誓願を起こしていること、これがこよなき幸せである。

261 深い学識あり、技術を身につけ、身をつつしむことをよく学び、言葉がみごとであること、これがこよなき幸せである。

262 父母につかえること、妻子を愛し護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、これがこよなき幸せである。

263 施与と、理法にかなった行いと、親族を愛し護ることと、非難を受けない行為、これがこよなき幸せである。

264 悪をやめ、悪を離れ、飲酒をつつしみ、徳行をゆるがせにしないこと、これがこよなき幸せである。

265 尊敬と謙遜と満足と感謝と適当な時に教えを聞くこと、これがこよなき幸せである。

266 耐え忍ぶこと、言葉のやさしいこと、諸々の道の人に会うこと、適当な時に理法について聞くこと、これがこよなき幸せである。

267 修養と、清らかな行いと、聖なる真理を見ること、安らぎ(ニルヴァーナ)を体得すること、これがこよなき幸せである。

268 世俗の事柄(利得、不利得、名声、不名声、賞讃、そしり、楽、苦の八つ)に触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚れを離れ、安穏であること、これがこよなき幸せである。

269 これらのことを行うならば、いかなることに関しても敗れることがない。あらゆることについて幸福に達する。これがこよなき幸せである。

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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

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