1043 プンナカさんがたずねた、
「動揺することなく根本を達観せられたあなたに、おたずねしょうと思って、参りました。仙人や常の人々や王室やバラモンは、何の故にこの世で盛んに神々に犠牲を捧げたのですか?先生!あなたにおたずねします。それをわたしに説いてください。」
1044 師(ブッタ)は答えた、
「プンナカよ。およそ仙人や常の人々や王族やバラモンがこの世で盛んに神々に犠牲を捧げたのは、我らの現在のこのような生存状態を希望して、老衰にこだわって、犠牲を捧げたのである。」
1045 プンナカさんが言った、
「先生! およそこの世で仙人や常の人々や王族やバラモンが盛んに神々に犠牲を捧げましたが、祭祀の道において怠らなかった彼らは、生と老衰を乗り越えたのでしょうか?我が親愛なる友よ。あなたにおたずねします。それをわたしに説いてください。」
1046 師は答えた、
「プンナカよ。彼らは希望し、称賛し、熱望して、献供する。利得を得ることによって欲望を達成しようと望んでいるのである。供犠に専念している者どもは、この世の生存を貪って止まない。彼らは生や老衰を乗り越えてはいない、とわたしは説く。」
1047 プンナカさんが言った、
「もしも供犠に専念している彼らが祭祀によっても生と老衰とを乗り越えていないのでしたら、我が親愛なる友よ、では神々と人間の世界の内で生と老衰とを乗り越えた人は誰なのですか?先生! あなたにお尋ねします。それをわたしに説いてください。」
1048 師は答えた、
「プンナカよ。世の中でかれこれの状態を究め明らめ、世の中で何ものにも動揺することなく、安らぎに帰し、煙なく、苦悩なく、望むことのない人、彼は生と老衰とを乗り越えた、と、わたしは説く。」
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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。
なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。
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