【仏教用語/人物集 索引】

スッタニパータ【第5 彼岸にいたる道の章】8、学生ナンダの質問

投稿日:0202年5月28日 更新日:

1077 ナンダさんがたずねた、
「世間には諸々の聖者がいると世人は語る。それはどうしてですか?世人は知識を持っている人を聖者と呼ぶのですか?あるいは簡素な生活を送る人を聖者と呼ぶのですか?」

1078 (ブッダが答えた)、
ナンダよ。世の中で、真理に達した人たちは、哲学的見解によっても、伝承の学問によっても、知識によっても聖者とは言わない。煩悩の魔軍を撃破して、苦悩なく、望むことなく行う人々、彼らこそ聖者である、とわたしは言う。」

1079 ナンダさんが言った、
「おおよそこれらの道の人・バラモンたちは、哲学的見解によって、また伝承の学問によっても、清浄になれるとも言います。先生!彼らはそれにもとずいてみずから制して修行しているのですが、はたして生と老衰とを乗り越えたのでしょうか?我が親愛なる先生!あなたにおたずね致します。それをわたくしに説いてください。」

1080 ブッダ)は答えた、
ナンダよ。これらの道の人・バラモンたちは全て。哲学的見解によって清浄になり、また伝承の学問によっても清浄になると説く。戒律や誓いを守ることによっても清浄になると説く。そのほか種々の仕方で清浄になるとも説く。たとい彼らがそれらにもとづいてみずから制して行っていても、生と老衰とを乗り越えたのではない、とわたしは言う。」

1081 ナンダさんが言った、
「およそこれらの道の人・バラモンたちは、見解によって、また伝承の学問によっても清浄になれると言います。戒律や誓いを守ることによっても清浄になれると言います。そのほか種々の仕方で清浄になれるとも言います。聖者さま。もしあなたが『彼らは未だ煩悩の激流を乗り越えていない』と言われるのでしたら、では神々と人間の世界の内で生と老衰を乗り越えた人は誰なのですか?親愛なる先生! あなたにおたずねします。それをわたくしに説いてください。」

1082 ブッダ)は答えた、
ナンダよ。わたしは『全ての道の人・バラモンたちが生と老衰とに覆われている』と説くのではない。この世において見解や伝承の学問や戒律や誓いをすっかり捨て、また種々の仕方をもすっかり捨てて、妄執をよく究め明かして、心に汚れのない人々、彼らは実に『煩悩の激流を乗り越えた人々である』と、わたしは説くのである。」

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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

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