【仏教用語/人物集 索引】

スッタニパータ【第5 彼岸にいたる道の章】2、学生アジタの質問

投稿日:0202年5月28日 更新日:

1032 アジタさんがたずねた、
「世間は何によって覆われているのですか?世間は何によって輝かないのですか?世間をけがすものは何ですか?世間の大きな恐怖は何ですか?それを説いてください。」

1033 師(ブッダ)が答えた、
アジタよ。世間は無明によって覆われている。世間は貪りと怠惰のゆえに輝かない。欲が世間の汚れである。苦悩が世間の大きな恐怖である、とわたしは説く。」

1034 「煩悩の流れはあらゆるところに向かって流れる。その流れをせき止めるものは何ですか?その流れを防ぎ守るものは何ですか?その流れは何によって塞がれるのでしょうか?それを説いてください。」

1035 師は答えた、「アジタよ。世の中におけるあらゆる煩悩の流れをせき止めるものは、気を付けることである。気を付けることが煩悩の流れを防ぎまもるものである、とわたしは説く。その流れは智慧によって塞がれるであろう。」

1036 アジタさんが言った、「我が友よ。智慧と気を付けることと名称と形態とは、いかなる場合に消滅するのですか?おたずねしますが、このことをわたしに説いてください。」

1037 アジタよ。そなたが質問したことを、わたしはそなたに語ろう。識別作用が止滅することによって、名称と形態とが残りなく滅びた場合に、この名称と形態とが滅びる。」

1038 「この世には真理を究め明らめた人々もあり、学びつつある人もあり、凡夫もおります。おたずねしますが、賢者は、どうか彼らの振る舞いを語ってください。我が友よ。」

1039 「修行者は諸々の欲望にふけってはならない。心が混濁していてはならない。一切の事物の真相に熟達し、よく気を付けて遍歴せよ。」

⇒ 続きは 3、学生ティッサ・メッテイヤの質問 ⇒ 目次(はじめに戻る)

※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

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