335 師(ブッダ)が言った、ラーフラよ。しばしばともに住むのに慣れて、お前は賢者を軽蔑するのではないか?諸人のために炬火をかざす人(サーリプッタ)を、あなたは尊敬しているか?」
336 ラーフラは答えた、「しばしばともに住むのに慣れて賢者を軽蔑するようなことを、わたくしは致しません。諸人のために炬火をかざす人を、わたくしは常に尊敬しています。」
以上、序の詩
337 「愛すべく喜ばしい五欲の対象(色、声、香、味、触)を捨てて、信仰心によって家から出て、苦しみを終滅せしめる者であれ。
338 善い友だちと交われ。人里離れ奥まった騒音の少ないところに坐臥せよ。飲食に量を知る者であれ。
339 衣服と、施された食物と、病人のための物品と坐臥の所、これらのものに対して欲を起こしてはならない。再び世に戻ってくるな。
340 戒律の規定を奉じて、五つの感官(眼、耳、鼻、舌、身)を制し、そなたの身体を観ぜよ(身体について心を専注せよ)。切に世をいとい嫌う者となれ。
341 愛欲があれば汚いものでも清らかに見える。その美麗な外形を避けよ。身は不浄であると心に観じて、心をしずかに統一せよ。
342 無相のおもいを修せよ。心にひそむ傲慢をすてよ。そうすればあなたは傲慢を滅ぼして、心静まったものとして日を送るであろう。」
実に尊き師(ブッダ)はこのようにラーフラさんにこれらの詩を以て繰返し教えられた。
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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。
なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。
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