【仏教用語/人物集 索引】

スッタニパータ【第4 八つの詩句の章】7、ティッサ・メッテイヤ

投稿日:0202年5月28日 更新日:

814 ティッサ・メッテイヤさんが言った、「きみよ。婬欲の交わりにふける者の破滅を説いてください。あなたの教えを聞いて、我らも独り離れて住むことを学びましょう。」

815 師(ブッダ)は答えた、「メッテイヤよ。婬欲の交わりにふける者は教えを失い、よこしまな行いをする。これは彼の内にある卑しい事柄である。

816 かつて独りで暮していたのに、のちに婬欲の交わりにふける人は、車が道からはずれたようなものである。世の人々は彼を「卑しい」と呼び、また「凡夫」と呼ぶ。

817 かつて彼のもっていた名誉も名声も、全て失われる。このことわりを見たならば、婬欲の交わりを断つことを学べ。

818 彼は諸々の欲の想いに囚われて、困窮者のように考えこむ。このような人は、他人からのとどろく非難の声を聞いて恥いってしまう。

819 そうして他人に詰られた時には虚言に陥る。すなわち、自らを傷つける刃(身・口・意における悪行)をつくるのである。これが彼の大きな難所である。

820 独りでいる修行をまもっていたときは一般に賢者と認められていた人でも、もしも婬欲の交わりにふけったならば、愚者のように悩む。

821 聖者はこの世で前後にこの災いのあることを知り、独りでいる修行を堅くまもれ。婬欲の交わりにふけってはならない。

822 俗事から離れて独り居ることを学べ。これは諸々の聖者にとって最上の事柄である。しかしこれだけで「自分が最上の者だ」と考えてはならない。彼は安らぎに近づいているのだが。

823 聖者は諸々の欲望を顧みることなく、それを離れて修行し、激流を渡り終わっているので、諸々の欲望に束縛されている人々は彼をうらやむのである。」

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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

なお、底本としてパーリ語経典の『スッタニパータ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

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