「 その時その時を大事にする 」 一覧

『典座教訓』18、自然のまま喜びの心で引き受ける

凡そ諸の知事頭首、及び当職、作事作務の時節、喜心、老心、大心を保持すべきものなり。いわゆる、喜心とは、喜悦の心なり。想ふべし、我れ若し天上に生ぜば、楽に著して間無し。発心すべからず。修行未だ便ならず。 ...

『典座教訓』17、ただ自然に変わっていくだけ

若し事を貴ぶべき者ならば、悟道の事を貴ぶべし。若し時を貴ぶべき者ならば、悟道の時を貴ぶべき者か。事を慕い道を耽しむの跡、沙を握って宝と為る、猶お其の験有り。形を模して礼を作す、屡其の感を見る。何に況ん ...

『典座教訓』16、自他の境をとりはずす

応に知るべし佗未だかつて発心せずと雖も、若し一の本分人を見ば、則ち其の道を行得せん。未だ一の本分人を見ずと雖も、若し是れ深く発心せば、則ち其の道を行膺せん。既に両闕を以てせば、何を以てか一益あらん。大 ...

『典座教訓』15、すべて行ずることが仏事

山僧帰国より以降、錫を建仁に駐むること一両三年。彼の寺、愗かにこの職を置けども、唯名字のみ有って、全く人の実無し。未だ是れ仏事なることを識らず、豈に肯て道を弁肎せんや。真に憐憫すべし。其の人に遇わずし ...

『典座教訓』11、よく自分のことを勤める

又嘉定十六年、癸未、五月の中、慶元の舶裏に在り。倭使頭説話の次で、一老僧有り来る。年六十許歳。一直に便ち舶裏に到って、和客に問うて倭椹を討ね買う。山僧佗を請して茶を喫せしむ。佗の所在を問えば、便ち是れ ...

『典座教訓』9、食べることも仏法を行じていること

施主院に入って財を捨し斎を設けば、また当に諸の知事一等に商量すべし。是れ叢林の旧例なり。回物俵散は、同じく共に商量せよ。権を侵し職を乱す事を得ざれ。斎粥如法に弁じ了らば、案上に安置し、典座袈裟を搭け、 ...

『典座教訓』4、心を他のことに移さない

上古有道の高士、自ら手ずから精しく至り、之を修することこの如し。後来の晩進、之を怠慢すべけんか。先来云ふ、「典座は絆を以て道心となす」と。米砂誤って淘り去ること有るが如きは、自ら手ずから検点せよ。『清 ...

『典座教訓』2、心が整えば味も整う

所以に世俗の食厨子及び饌夫等に同じからざる者か。山僧在宋の時、暇日前資勤旧等に咨問するに、彼等聊か見聞を挙して、以て山僧が為めに説く。この説似は、古来有道の仏祖、遺す所の骨隨なり。大抵すべからく『禅苑 ...

『正法眼蔵随聞記』46、学人問うて云く某甲なお学道心に繋けて

一日学人問うて云く、「某甲なを学道心に繋けて年月を運ぶといえども、いまだ省悟の分あらず。古人多く道う、聡明霊利に依らず、有知明敏をも用いずと。しかあれば、我が身下根劣智なればとて卑下すべきにもあらずと ...

『正法眼蔵随聞記』92、古人多くは云く光陰虚しく度る事なかれ

示して云く、古人多くは云く、「光陰虚しく度る事なかれ。」と。あるいは云く、「時光、徒らに過ごす事なかれ。」と。 学道の人、すべからく寸陰を惜しむべし。露命消えやすし、時光すみやかに移る。しばらく存ずる ...

『正法眼蔵随聞記』48、古人云く朝に道を聞かば夕に死すとも可なり

夜話に云く、古人云く、「朝に道を聞かば夕に死すとも可なり。」と。今の学道の人、この心あるべきなり。広劫多生の間、幾回か徒らに生じ、徒らに死せし。まれに人界に生まれて、たまたま仏法に逢う時、何にしても死 ...

『正法眼蔵随聞記』66、学道の人は先ずすべからく貧なるべし

一日僧来って学道之用心を問う次に示して云く、学道の人は先ずすべからく貧なるべし。財多ければ必ずその志を失う。在家学道の者、なお財宝にまとわり、居所を貪り、眷属に交われば、たとひその志ありと云えども障道 ...

『正法眼蔵随聞記』72、嘉禎二年臘月除夜

嘉禎二年臘月除夜、始めて懐奘を興聖寺の首座に請ず。即ち小参の次、秉払を請ふ。初めて首座に任ず。即ち興聖寺最初の首座なり。 小参に云く、宗門の仏法伝来の事、初祖西来して少林に居して機をまち時を期して面壁 ...

『正法眼蔵随聞記』79、世間の人多分云く

また云く、世間の人多分云く、「学道の志あれども世のすえなり、人くだれり。我が根劣なり。如法の修行に堪うべからず。ただ随分にやすきにつきて結縁を思い、他生に開悟を期すべし。」と。 今は云く、この言う事は ...

『正法眼蔵随聞記』96、先師全和尚入宋せんとせし時

示して云く、先師全和尚、入宋せんとせし時、本師叡山の明融阿闍梨、重病に沈み、既に死なんとす。 その時この師云く、「我れ既に老病に沈み、死去せんとする事近きにあり。汝一人老病をたすけて、冥路をとぶらうべ ...

『正法眼蔵随聞記』34、今の世、出世間の人

夜話に云く、今の世、出世間の人、多分は善事をなしては、かまえて人に識られんと思い、悪事をなしては人に知られじと思う。これに依って内外不相応の事出来たる。相構えて内外相応し、誤りを悔い、実徳を蔵して、外 ...

『正法眼蔵随聞記』55、治世の法は上天子より

一日示して云く、治世の法は、上天子より下庶民に至るまで各皆その官に居する者、その業を修す。その人にあらずしてその官をするを乱天の事と云う。政道天意に叶う時、世清み民康すきなり。故に帝は三更の三点におさ ...

『正法眼蔵随聞記』82、ある客僧の云く、近代の遁世の法

一日ある客僧の云く、「近代の遁世の法、各々時料等の事、かまえて、後、わづらいなきように支度す。これ小事なりと云えども学道の資縁なり。かけぬれば事の違乱出来る。今この御様を承り及ぶに、一切その支度なく、 ...

『正法眼蔵随聞記』49、学人は必ずしも死ぬべき事を思うべし

夜話に云く、学人は必ずしも死ぬべき事を思うべし。道理は勿論なれども、たとえばその言は思わずとも、しばらく先ず光陰を徒らにすぐさじと思うて、無用の事をなして徒らに時をすぐさで、詮ある事をなして時をすぐす ...

『正法眼蔵随聞記』52、人の鈍根と云うは、志の到らざる時の事なり

一日示して云く、人の鈍根と云うは、志の到らざる時の事なり。 世間の人、馬より落つる時、いまだ地に落ちざる間に種々の思い起る。身をも損じ、命をも失するほどの大事出来たる時、誰人も才覚念慮を起すなり。その ...

『正法眼蔵随聞記』6、学道の人は後日を待って行道せんと思う事なかれ

示に云く、学道の人は後日を待って行道せんと思う事なかれ。ただ今日今時をすごさずして、日々時々を勤むべきなり。 ここにある在家人、長病あり。去年の春のころあひちぎりて云く、「当時の病療治して、妻子を捨て ...

『法句経』ダンマパダ【第2章 はげみ】

21 つとめ励むのは不死の境地である。怠りなまけるのは死の境涯である。つとめ励む人々は死ぬことが無い。怠りなまける人々は、死者のごとくである。 22 このことをはっきりと知って、つとめはげみを能く知る ...

スッタニパータ【第1 蛇の章】6、破滅

 わたしが聞いたところによると、あるとき師(ブッダ)は、サーヴァッティーのジェータ林にある孤独な人々に食を給する長者の園におられた。そのとき一人の容色麗しい神が、夜半を過ぎたころ、ジェータ林を隈なく照 ...

スッタニパータ【第2 小なる章】4、こよなき幸せ

 わたしが聞いたところによると、あるとき尊き師(ブッダ)はサーヴァッティーのジェータ林にある孤独な人々に食を給する長者の園におられた。そのとき一人の容色麗しい神が、夜半を過ぎたころジェータ林を隈なく照 ...

スッタニパータ【第2 小なる章】10、精励

331 起てよ、坐れ。眠ってあなたたちに何の益があろう。矢に射られて苦しみ悩んでいる者どもは、どうして眠られようか。 333 神々も人間も、ものを欲しがり、執著にとらわれている。この執著を超えよ。わず ...

スッタニパータ【第2 小なる章】11、ラーフラ

335 師(ブッダ)がいった、ラーフラよ。しばしばともに住むのに慣れて、お前は賢者を軽蔑するのではないか?諸人のために炬火をかざす人を、あなたは尊敬しているか?」 336 ラーフラは答えた、「しばしば ...

スッタニパータ【第4 八つの詩句の章】1、欲望

【 第4 八つの詩句の章 】 1、欲望 766 欲望をかなえたいと望んでいる人が、もしもうまくゆくならば、かれは実に人間の欲するものを得て、心に喜ぶ。 767 欲望をかなえたいと望み貪欲の生じた人が、 ...



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