【仏教用語/人物集 索引】

『典座教訓』4、心を他のことに移さない

投稿日:1237年8月13日 更新日:

じょうこゆうどうのこうし、
上古有道の高士

おのずからてずからくわしくいたり、
自ら手ずから精しく至り、

これをしゅうすることのごとし。
之を修することこの如し。

こうらいのばんしん、
後来の晩進、

これをたいまんすべけんか。
之を怠慢すべけんか。

せんらいいう、「てんぞはばんをもって
先来云ふ、「典座は絆を以て

どうしんとなす」と。
道心となす」と。

べいしゃあやまってゆりさること
米砂誤って淘り去ること

あるがごときは、おのずからてずから
有るが如きは、自ら手ずから

けんてんせよ。『しんぎ』にいわく、
検点せよ。『清規』に云く、

「ぞうじきのとき、すべからく
「造食の時、すべからく

したしくおのずからしょうこして、
親しく自ら照顧して、

じねんにしょうけつなるべし」と。
自然に精潔なるべし」と。

そのとうべいのはくすいをとって、
其の淘米の白水を取って、

またむなしくすてざれ。
また虚しく棄てざれ。

こらいはろくはくすいのうをおいて、
古来は漉白水嚢を置いて、

しゅくまいすいをべんず。くわにいれ
粥米水を弁ず。鍋に納れ

おわってこころをとどめごじして、
了って心を留め護持して、

ろうそとうをしてしょくごし、
老鼠等をして触誤し、

ならびにしょしきのかんじんにけんしょく
並に諸色の閑人に見触

せしむることなかれ。
せしむること莫れ。

しゅくじのなをととのえ、
粥時の菜を調え、

つぎにこんにちさいじもちゆるところの
次に今日斎時用ゆる所の

はんこうとうをたへいして、
飯羮等を打併して、

ばんつうならびにじゅうもつちょうどし、
盤桶並に什物調度し、

せいせいじょうけつにせんかんし、
精誠浄潔に洗灌し、

ひしこうしょにあんずべきは
彼此高処に安ずべきは

こうしょにあんじ、
高処に安じ、

ていしょにあんずべきは
低処に安ずべきは

ていしょにあんぜよ。
低処に安ぜよ。

こうしょはこうへいに、
高処は高平に、

ていしょはていへいに。
低処は低平に。

きょうしゃくとうのたぐい、
梜杓等の類、

いっさいのもつしき、
一切の物色、

いっとうにたへいして、
一等に打併して、

まごころにものをかんし、
真心に物を鑑し、

けいしゅにとりはなし、しかしてのちに
軽手に取放し、然して後に

みょうにちのさいりょうをりえし、
明日の斎料を理会し、

まずべいりにむしあらんをえらべ。
先ず米裏に蟲有らんを択べ。

りょくずこうじん、しゃせきとう、
緑豆糠塵、砂石等、

せいせいにえらびおわれ。
精誠に択び了れ。

こめをえらびなをえらぶとうのとき、
米を択び菜を択ぶ等の時、

あんじゃふぎんしてそうこうにえこうし、
行者諷経して竈公に回向し、

つぎにさいこうをえらび、
次に菜羮を択び、

ぶつりょうちょうべんせよ。
物料調弁せよ。

くすにしたがってたとくするところの
庫司に隨って打得する所の

もつりょうは、たしょうをろんぜず、
物料は、多少を論ぜず、

そさいをかんせず、
麁細を管せず、

ただこれせいせいにべんびするのみ。
唯是れ精誠に弁備するのみ。

せつにいむいろをおこしくちに
切に忌む色を作し口に

りょうもつのたしょうをとくことを。
料物の多少を説くことを。

ひねもすよもすがら、
竟日通夜、

ものきたってこころにあり、
物来って心に在り、

こころきしてものにあらしめ、
心帰して物に在らしめ、

いっとうにたとせいきんべんどうす。
一等に佗と精勤弁道す。

さんこういぜんに、
三更以前に、

めいきょうのじをかんし、
明曉の事を管し、

さんこういらいにさしゅくのじをかんす。
三更以来に做粥の事を管す。

とうじつしゅくおわりて、
当日の粥了りて、

くわをあらいはんをむし
鍋を洗い飯を蒸し

あつものをととのう。
羮を調う。

さいまいをひたすがごときは、
斎米を浸すが如きは、

てんぞすいかのあたりを
典座水架の辺を

はなるることなかれ。
離るること莫れ。

めいげんにしたしくみて
明眼に親しく見て

いちりゅうをついやさざれ。
一粒を費さざれ。

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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

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