夜話に云く、学人は必ずしも死ぬべき事を思うべし。道理は勿論なれども、たとえばその言は思わずとも、しばらく先ず光陰を徒らにすぐさじと思うて、無用の事をなして徒らに時をすぐさで、詮ある事をなして時をすぐすべきなり。その為すべき事の中に、また一切の事、いづれか大切なると云うに、仏祖の行履の外は皆無用なりと知るべし。
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『正法眼蔵随聞記』
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