【仏教用語/人物集 索引】

『伝光録』第四十八祖。天童玨禅師。

投稿日:2004年1月12日 更新日:

【本則】

第四十八祖。天童玨禅師。久為悟空侍者。一日悟空問曰。汝近日見処如何。師曰。吾又要道恁麼。空曰。未在更道。師曰。如何んそ未。悟空曰。汝不道道来未。未通向上事。師曰。向上事道得。空曰。如何向上事。師曰。設雖向上事道得。為和尚不能挙似。空曰。実汝未道得。師曰。伏願和尚道取。空曰。汝問吾道。師曰。如何是向上事。空曰。吾又要道不恁麼。師聞開悟。空即印証。

【機縁】

師諱宗玨。久為悟空侍者。昼三夜三。横三竪三。然猶有所不徒。空問曰。汝近日見処如何。師曰。吾又要道恁麼。空曰。未在更道。

【拈提】

実に今ま恁麼なりといふ。いまだしきところあり。所謂恁麼に来ることを会すといへども。不恁麼に来るものあることをしらず。然るを全体露現してかくすことなし。何の不足のところかあらんとおもふゆへに。曰如何未。かくのごとく解する底。白雲散じつきて。青山ひとりたかきがごとくなることをうれども。なを更に山よりもたかき山あることをいまだしらず。故に曰。汝不道道来未。未通向上事。かくのごとく参じ来る。ことごとくこれ向上の事なりといへども。なをあることをしらざるとがあり。ゆへに曰。実に汝未道得と。なを一言を出し。心慮をめぐらして恁麼いふも。二にをち参にをつ。一点をもつけざるところありと。ゆへにいふ。設雖向上事道得。為和尚不能挙得。自己いまだしらず。なを節目にかかはるゆへに。悟空曰。実に汝未道得。時にいきすでにつき。ちからまさにきはまりて。請問して曰。如何是向上事。空曰。吾又要道不恁麼。先来の道と只だ今の道と。天地の論にもおよばず。水火の喩へよりもへだたれり。宗玨のおもはくは全体あらはれたりと。悟空は不然。ただ恁麼なりといふ。ただ孤明歴然たるのみなり。初て非をしり得処ありて印証をうく。然しより出世し。為人説話するに。僧問。如何是道。師曰。十字街頭休斫額。有時上堂曰。劫前運歩世外横身。妙契不可以意到。真証不可以言伝。直得虚静歛氣。白雲向寒巌而断。霊光破暗。明月随夜船而来。正与麼時。作麼生履踐。偏正不会離本位。縦横那渉語因縁。実に虚静にきはなく。舌頭談ずれどもへだたらず。向上事を識得せんこと。如是なるべし。なを心ととき。性ととくこと。悉くこれ向上事にあらず。ただ又た山はこれ山。水はこれ水。これを向上事とをもへり。直にこれあやまりなり。洞山曰。体得仏向上事。方さに有些子語話分。僧便問如何是語話。山曰。語話時闍黎不聞。又盤山曰。向上一路千聖不伝と。実に尋常にいひ来る。任性逍遙底にあらず。又僧悟空禅師問曰。向上事作麼生。空曰。妙在一漚前。豈容千聖眼。いまいふところの一漚とは。己身きざしてよりこのかたなり。不萠以前これをなづけて向上の事といふ。ゆへに芙蓉の真子。枯木法成禅師上堂知有仏祖向上事方有語話分。諸禅徳且道。那箇是仏祖向上事。有箇人家兒子六根不具七識不全。是大闡提無仏種性。逢仏殺仏。逢祖殺祖。天堂收不得。地獄攝無門。大衆還識此人麼。良久曰。対面不仙陀。睡多饒寐語。実に向上の事は。仏来るとも。たちまち喪身失命し。祖いたるとも。全身百雜碎す。天堂にいたらんとすれば。天堂すなはち崩壊す。地獄にむかへば。地獄たちまち破裂す。いづれのところか天堂とし。いづれのところをか地獄とせん。なにをよんでか万像とせん。先より蹤跡なし。ただ睡時の事のごとし。自なをしらず。他あにわきまふべけんや。来由なく。ただ明々として無悟法なるのみなり。まさにこれ高祖の語話なり。もし向上の事をしらば項門のまなこひらけて。この時少分相応のところあり。且く道へ。如何ならんか此の道理。

【頒古】

宛如上下橛相似。抑不入兮拔不出。

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