精進料理(しょうじんりょうり)- 菜食主義との違い

投稿日:2020年11月18日 更新日:

 
精進料理とは、仏教とともに中国から日本に伝わった修行僧のための食事のことですが、現在、一般に精進料理といわれているものは、曹洞宗や臨済宗、黄檗宗などの禅宗で確立されたスタイルのものです。それぞれの時代、それぞれの宗派の戒に基づき、殺生や煩悩への刺激を避けた食材を使い調理された料理のことです。また、斎食(さいじき)のことを指す場合もあります。

「精進料理とは、精進する人の食べ物です」

このように聞いたことがあります。精進料理とは、一般的には、肉や魚を使わずに、野菜、果物、海草などを使って作る料理です。インドや欧米などで肉や魚を食べない菜食主義(ベジタリアン)があります。では、この精進料理と菜食主義は同じ趣旨だと思いますか?

インドは住民の40%が菜食主義です。ヒンドゥ教で菜食主義をとる場合が多いようです。しかし、家や地域によって様々な決め事があり、「こうでなければいけない」という外部から見て明確な答えはありません。例えば、「ある祭日の2週間前から厳密に菜食主義を守る」とか、「卵は良い」とか、そういった具合です。

インドの食料品のラベルに記入される「緑の○印」がベジタリアン用、「赤の○印」がノン・ベジタリアン用で一目で分かるようになっています。例えば、ケーキやパンにもこれが書いてあり、「緑の○印」であれば、卵も入っていません。日本に外国人を多く訪問させたいのであれば、これからはこういったことも考える必要があります。

菜食主義であれば野菜のカレーを食べますが、当然ながら香辛料を使って作ります。逆に精進料理では香辛料は使いません。その他にも、ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラなどの匂いのきつい食材は精進料理では使用しません。

精進料理は禅宗で確立され、その他の宗派にも採用されていきました。食材の選別だけではなく、調理方法にも、食事作法にも決め事があります。これも寺院や地域、時代によって変化がありますが、例えば、道元の「典座教訓(てんぞきょうくん)」には、このような決め事が書いてあります。

(1)五つの色(緑、白、赤、黒、黄)の食材を使う
(2)五つの味付(すっぱい、甘い、苦い、辛い、塩辛い)が必要
(3)五つの調理法(生、焼く、揚げる、煮る、蒸す)を用いる
(4)余すところなく旬の食材を使う

修行僧に出される精進料理と観光客に出される精進料理とでは大きな違いがあるので、一般的な精進料理のイメージというものは、人によって違うと思います。単に肉や魚を使わないものが精進料理ではなく、命の有り難さを感じ、食材を無駄なく活かし、自分が生かされている、そこを大事にしています。

対して、菜食主義は肉や魚などが含まれるかどうかを問題にします。だから、緑や赤のマークをつけます。

さらには、日本ではお坊さんが肉や魚を食べただけで批判する人がいますが、仏教ではブッダの時代からお坊さんも肉や魚を食べることが許されていました。だから肉や魚を食べて良いというわけではありませんが、そこから時代背景や人の様々な判断で決め事が出来ては、変更されて現代に至っています。

その一つが精進料理という形で伝わっています。「精進料理とは、精進する人の食べ物です」というのはお坊さんがしていた説明ですが、食材のことだけを問題にするのが精進料理ではないと示しているように思います。

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