文献 『典座教訓』19、親心は無償の心
いわゆるろうしんとは、いわゆる老心とは、ふぼのこころなり。たとえば父母の心なり。たとえばふぼのいっしをおもうがごとく、父母の一子を念うがごとく、さんぼうをそんねんすること三宝を存念することいっしをおもうがごとくせよ。一子を念うが如くせよ。ひんじゃきゅうしゃ、あながちにいっしを貧者窮者、強に一子をあいいくす。そのこころざしいかん。愛育す。其の志如何。げにんしらず。ちちとなり外人識らず、父と作りははとなってまさにこれをしる。母と作って方に之を識る。じしんのひんぷをかえりみず、自身の貧富を顧みず、ひとえにわがこの偏えに吾が子のちょうだいならんことをおもう。長大ならんことを念う。おのさむきをかえりみず...