【仏教用語/人物集 索引】

『典座教訓』19、親心は無償の心

投稿日:1237年8月13日 更新日:

いわゆるろうしんとは、
いわゆる老心とは、

ふぼのこころなり。たとえば
父母の心なり。たとえば

ふぼのいっしをおもうがごとく、
父母の一子を念うがごとく、

さんぼうをそんねんすること
三宝を存念すること

いっしをおもうがごとくせよ。
一子を念うが如くせよ。

ひんじゃきゅうしゃ、あながちにいっしを
貧者窮者、強に一子を

あいいくす。そのこころざしいかん。
愛育す。其の志如何。

げにんしらず。ちちとなり
外人識らず、父と作り

ははとなってまさにこれをしる。
母と作って方に之を識る。

じしんのひんぷをかえりみず、
自身の貧富を顧みず、

ひとえにわがこの
偏えに吾が子の

ちょうだいならんことをおもう。
長大ならんことを念う。

おのさむきをかえりみず、
自の寒きを顧みず、

おのあつきをかえりみず、
自の熱きを顧みず、

こをおおいこをおおう。
子を蔭い子を覆う。

もってしんねんせつせつのいたりとなす。
以て親念切々の至りと為す。

そのこころをはっすひとよくこれをしる。
其の心を発す人能く之を識る

そのこころにならうひとまさにこれを
其の心に慣う人方に之を

おぼゆるものなり。しかあればすなわち
覚る者なり。然あれば乃ち

みずをかんこくをみるに、みなこを
水を看穀を看るに、皆子を

やしなうじこんをそんすべきものか。
養う慈懇を存すべき者か。

だいししゃくそん、
大師釈尊

なお20ねんのぶつじゅをわかって、
猶お二十年の仏寿を分って、

まっせのわれらをおおいたもう。
末世の吾等を蔭いたもう。

そのいいかん。
其の意如何。

ただふぼのこころをたるるのみ。
唯父母の心を垂るるのみ。

にょらいまったくもとむべからず、
如来全く果を求むべからず、

またとみをもとむべからず。
また富を求むべからず。

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