【仏教用語/人物集 索引】

『典座教訓』10、他人のしたことは自分のしたことにならない

投稿日:1237年8月13日 更新日:

さんぞうてんどうにありしとき、
山僧天童に在りし時、

ほんぷのようてんぞしょくにみてりき。
本府の用典座職に充てりき。

よちなみにさいまかんでとうろうをすぎ
予因みに斎罷んで東廊を過ぎ

ちょうねんさいにおもむくのりょじ、
超然斎に赴くの路次、

てんぞぶつでんまえにあって
典座仏殿前に在って

たいをさらす。
苔を晒す。

てにたけづえをかまえ、
手に竹杖を携え、

こうべにかたがさなし。
頭に片笠無し。

てんぴねっし、ちせんねっす。
天日熱し、地甎熱す。

かんりゅうはいかいすれども、
汗流徘徊すれども、

ちからをはげましてたいをさらす。
力を励して苔を晒す。

ややくしんをみる。せぼねゆみのごとく
稍苦辛を見る。背骨弓の如く

ほうびはつるににたり。
竜眉は鶴に似たり。

さんぞうきんぜんして、
山僧近前して、

すなわちてんぞのほうじゅをとう。
便ち典座の法寿を問う。

てんぞいわく、「ろくじゅうはっさい。」
座云く、「六十八歳。」

さんぞういわく、「いかんぞ
山僧云く、「如何ぞ

ぎょうじゃにんくをつかわざる。」
行者人工を使わざる。」

ぞいわく、
座云く、

「たはこれわれにあらず。」
「佗は是れ吾にあらず。」

さんぞういわく、
山僧云く、

「ろうじんけにょほうなり。
「老人家如法なり。

てんぴかつかくのごとくにねっす。
天日且つ恁くの如くに熱す。

いかんぞにんぢなる。」
如何ぞ恁地なる。」

ぞいわく、「さらに
座云く、「更に

いずれのときをかまたん。」と。
何れの時をか待たん。」と。

さんぞうすなわちきゅうす。
山僧更ち休す。

ろうをほするきゃっか、
廊を歩する脚下、

ひそかにこのしょくのきようたること
潜かにこの職の機要たること

をおぼう。
を覚う。

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