【仏教用語/人物集 索引】

『典座教訓』20、天地の寸法は隔たりがない

投稿日:1237年1月1日 更新日:

いわゆる、だいしんとは、
いわゆる、大心とは、

そのこころをだいせんにし、
其の心を大山にし、

そのこころをたいかいにし、
其の心を大海にし、

へんなくとうなきこころなり。
偏無く党無き心なり。

りょうをかかげてかろしとせず、
両を提げて軽しと為ず、

きんをあげておもしとすべからず。
鈞を扛げて重しとすべからず

しゅんせいにひかれて
春声に引かれて

しゅんたくにあそばず。
春沢に游ばず

しゅうしきをみるといえども
秋色を見ると雖も

さらにしゅうしんなく、
更に秋心無く、

しうんをいっけいにあらそい、
四運を一景に競い、

しゅりょうをいちもくにみる。
銖両を一目に視る。

このいっせつにおいて、
是の一節に於いて、

だいのじをしょすべし。
大の字を書すべし。

だいのじをしるべし。
大の字を知るべし。

だいのじをまなぶべし。
大の字を学すべし。

かっさんのてんぞ、
夾山の典座

もしだいのじをがくせずんば、
若し大の字を学せずんば、

ふかくのいっしょうもて、
不覚の一笑もて、

たいげんをどすることなからん。
大原を度すること莫らん。

だいいぜんじ、
大潙禅師、

だいのじをしょせずんば、
大の字を書せずんば、

いっきょうさいをとって、
一茎柴を取って、

みたびふくべからざらん。
三び吹くべからざらん。

とうざんおしょう、
洞山和尚

だいのじをしらずんば、
大の字を知らずんば、

さんきんのまをねんじて、
三斤の麻を拈じて、

いっそうにしめすことなからん。
一僧に示すこと莫らん。

まさにしるべし、
応に知るべし、

こうらいのだいぜんちしきは、
向来の大善知識は、

ともにこれひゃくそうずじょうに、
倶に是れ百艸頭上に、

だいのじをがくしきたって、
大の字を学し来って、

いますなわちじざいにおおごえをなし、
今乃ち自在に大声を作し、

たいぎをとき、だいじをりょうし、
大義を説き、大事を了し、

だいにんをせっし、しゃこいちだんの
大人を接し、者箇一段の

だいじいんねんをじょうじゅするものなり
大事因縁を成就する者なり。

じゅうじ、ちじ、ちょうしゅ、うんのう、
住持、知事、頭首、雲衲、

たれかこのさんしゅのこころを
阿誰かこの三種の心を

ぼうきゃくするものならんや。
忘却する者ならんや。

ときにかていさんねんひのととりはる、
于時嘉禎三年丁酉春、

きしてこうらいがくどうの
記して後来学道の

くんしにしめすという。
君子に示すと云う。

かんのんどうりこうしょうほうりんぜんじ
観音導利興聖宝林禅寺

のじゅうじでんぽうしゃもんどうげんきす
の住持伝法沙門道元記す。

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