文献 『教行信証』行巻06
爾れば、「南無」の言は帰命なり。「帰」の言は 至なり、又帰説なり。「説」の字 悦の音、又帰説なり。「説」の字 税の音。悦・税、二の音。告なり。述なり。人の意を宣述するなり。「命」の言は 業なり。招き引くなり。使なり。教なり。道なり。信なり。計なり。召なり。是を以て「帰命」は本願招喚の勅命なり。 「発願回向」と言うは、如来、已に発願して衆生の行を回施したまうの心なり。 「即是其行」と言うは、即ち選択本願、是れなり。 「必得往生」と言うは、不退の位に至ることを獲ることを彰すなり。『経』(大経)には「即得」と言えり。『釈』(易行品)には「必定」と云えり。「即」の言は、願力を聞くに由りて報土の真因決定...