【仏教用語/人物集 索引】

『教行信証』化身土巻 - 末06

投稿日:1224年1月1日 更新日:

 『月蔵経』巻第七「諸魔得敬信品第十」に言わく、「爾の時に復た百億の諸魔有り。倶共に同時に座よりして起ちて、合掌して仏に向かいたてまつりて、仏足を頂礼して仏に白して言さく、「世尊。我等、亦当に大勇猛を発して仏の正法を護持し養育して、三宝の種を熾然ならしめて久しく世間に住せしむ。今、地の精気・衆生の精気・法の精気、皆悉く増長せしむべし。若し世尊声聞弟子有りて、法に住し法に順じて、三業相応して修行せば、我等皆、悉く護持し養育して、一切所須、乏しき所無からしめん」と。乃至

此の娑婆界にして、初め賢劫に入りし時、
楼孫如来、已に四天を、
帝釈・梵天王に嘱せしめて、護持し養育せしむ。
三宝の種を熾燃ならしめ、三精気を増長せしめたまいき。
那含牟尼、亦、四天下を、
梵・釈・諸天王に嘱して、護持し養育せしむ。
迦葉も亦是くの如し。已に四天下を、
梵・釈・護世王に嘱して、行法の者を護持せしめき。
過去の諸仙衆、及以び諸天仙・
星辰・諸の宿曜、亦嘱し分布せしめき。
我、五濁世に出でて、諸魔の怨を降伏して、
大集会を作して、仏の正法を顕現せしむ。乃至
一切の諸天衆、咸く共に仏に白して言さく、
我等、王の処の所にして、皆、正法を護持し、
三宝の種を熾燃ならしめ、三精気を増長せしめん。
諸の病疫・飢饉及び闘諍を息めしむと。」乃至略出

 「提頭頼吒天王護持品」に云わく、「仏の言わく、「日天子・月天子、汝、我が法に於いて護持し養育せば、汝、長寿にして諸の衰患無からしめん」と。

 爾の時に復た百億の提頭頼吒天王・百億の毘楼勒叉天王・百億の毘楼博叉天王・百億の毘沙門天王有り。彼等同時に、及び眷属と座よりして起ちて衣服を整理し、合掌し敬礼して是くの如きの言を作さく、「大徳婆伽婆。我等各各、己が天下にして、懃に仏法を護持し養育を作さん。三宝の種、熾然として久しく住し、三種の精気、皆悉く増長せしめん」と。乃至

 「我、今亦、上首毘沙門天王と同心に、此の閻浮提と北方と諸仏の法を護持す」と。」已上略抄

 『月蔵経』巻第八「忍辱品第十六」に言わく、「仏の言わく、「是くの如し、是くの如し。汝が言う所の如し。若し己が苦を厭い楽を求むるを愛すること有らん。応当に諸仏の正法を護持すべし。此れより当に無量の福報を得べし。若し衆生有りて、我が為に出家し鬚髪を剃除して袈裟を被服せん。設い戒を持たざらん、彼等悉く已に涅槃の印の為に印せらるるなり。若し復た出家して戒を持たざらん者、非法を以てして悩乱を作し、罵辱し毀呰せん。手を以て刀杖打縛し斫截すること有らん。若し衣鉢を奪い、及び種種の資生の具を奪わん者、是の人は則ち三世の諸仏の真実の報身を壊するなり。則ち一切天人の眼目を挑うなり。是の人、諸仏所有の正法・三宝種を隠没せんと為欲うが故に、諸の天人をして利益を得ざらしむ。地獄に堕せん。故に三悪道増長し盈満を為すなり」と。」已上

 又言わく(忍辱品)、「爾の時に復た一切天・龍・乃至一切迦吒富単那・人・非人等有りて、皆悉く合掌して是くの如きの言を作さく、「我等、仏一切声聞弟子、乃至、若し復た禁戒を持たざれども、鬚髪を剃除し袈裟を片に著ん者に於いて、師長の想を作さん。護持養育して諸の所須を与えて乏少無からしめん。若し余の天・龍・乃至迦吒富単那等、其の悩乱を作し、乃至悪心をして眼を以て之を視ば、我等悉く共に、彼の天・龍・富単那等所有の諸相、欠減し醜陋ならしめん。彼をして、復た我等、共に住し共に食を与うることを得ざらしめん。亦復、同処にして戯咲を得じ。是くの如く擯罰せん」と。」已上

 又言わく(晋訳華厳経)、「占相を離れて正見を修習せしめ、決定して深く罪福の因縁を信ずべし」と。抄出

(化身土巻 - 末 は続く)

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