【仏教用語/人物集 索引】

『正法眼蔵随聞記』31、世間の男女老少

投稿日:1235年6月11日 更新日:

雑話の次でに云く、世間の男女老少、多く雑談の次で、あるいは交会婬色等の事を談ず。是れを以て心を慰めんとし興言とする事あり。一旦心をも遊戲し、徒然も慰むと云うとも、僧はもっとも禁断すべき事なり。俗なおよき人、実しき人の、礼儀をも存じ、げにげにしき談の時出来らぬ事なり。ただ乱酔放逸なる時の談なり。況んや僧は、専ら仏道を思うべし。希有異躰の乱僧の所言なり。

宋土の寺院なんどには、惣て雑談をせざれば、左右に及ばず。我が国も、近ごろ建仁寺の僧正存生の時は、一向あからさまにも是の如き言語出来らず。滅後も在世の門弟子等少々残り留まりし時は、一切に言はざりき。近ごろ七八年より以来、今出の若人達時々談ずるなり。存外の次第なり。

聖教の中にも、「麁強の悪業は人をして覚悟せしむ、無利の言説は能く正道を障う。」と。ただ打ち出し言う語すら利無き言説は障道の因縁なり。況んや然の如きの言説の言葉に引れて、即ち心も起りつべし。もっとも用心すべきなり。わざとことさらいでかくなんいわじとせずとも、悪しき事と知りなば漸々に退治すべきなり。

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『正法眼蔵随聞記』

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