浄土とは、一切の煩悩やけがれを離れ、五濁や地獄・餓鬼・畜生の三悪趣が無く、仏や菩薩が住む清浄な所を清浄国土といい、略して浄土と呼ばれます。大乗仏教の世界観を表現する言葉として使われ、その仏の数だけ浄土があると考えられていますが、平安後期以降に浄土教が広まると、浄土と言えは阿弥陀如来の西方極楽浄土をさすことが多くなったようです。
『岩波 仏教辞典』によれば、浄土には3種類あり、死後に行く来世浄土(往く浄土)、現実の世界を清め浄土化する浄仏国土(成る浄土)、現実の世界の中に信仰によって得る常寂光土(在る浄土)に分類する考え方もあります。
代表的な浄土
・釈迦如来の霊山浄土
・阿弥陀如来の西方極楽浄土
・阿閦如来の東方妙喜世界
・薬師如来の東方浄瑠璃浄土
・毘盧遮那仏の蓮華蔵世界
・大日如来の密厳浄土
・弥勒菩薩の兜率天
・観世音菩薩の補陀落浄土
(刺繍釈迦如来説法図・霊鷲山・奈良時代または唐時代・8世紀)
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