【仏教用語/人物集 索引】

『正法眼蔵随聞記』51、父母の報恩等の事

投稿日:1235年6月11日 更新日:

夜話の次に奘問うて云く、父母の報恩等の事、作すべきか。

示して云く、孝順はもっとも用うる所なり。ただし、その孝順に在家出家の別あり。在家は孝経等の説を守りて生をつかう。死につかうる事、世人皆知れり。出家は恩を棄て無為に入って、無為の家の作法は、恩を一人に限らず、一切衆生斉しく父母の恩のごとく深しと思うて、なす所の善根を法界に巡らす。別して今生一世の父母に限らず。是れ則ち無為の道に背かざるなり。日々の行道時々の参学、ただ仏道に随順しもてゆかば、其れを真実の孝道とするなり。忌日の追善中陰の作善なんど、皆在家に用うる所なり。

衲子は父母の恩の深き事をば実の如く知るべし。余の一切また同じく重くして知るべし。別して一日をしめて殊に善を修し、別して一人を分きて回向をするは仏意にあらざるか。戒経の「父母兄弟死亡の日」の文は、暫く在家に蒙らしむるか。大宋の叢林の衆僧、師匠の忌日にはその儀式あれども、父母の忌日は是れを修したりとも見えざるなり。

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『正法眼蔵随聞記』

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