法談の次に示して云く、たとい我れ道理を以て道うに、人僻事を言うを、理を攻めて言い勝つは悪きなり。
次に、我れは現に道理と思えども、「我が非にこそ。」と言って負けてのくもあしばやなると言うなり。
ただ人をも言い折らず、我が僻事にもいいおおせず、無為にして止めるがよきなり。耳に聴き入れぬようにて忘るれば、人も忘れて怒らざるなり。第一の用心なり。
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『正法眼蔵随聞記』
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