【仏教用語/人物集 索引】

『法句経』ダンマパダ【 第20章 道 】

投稿日:0202年5月30日 更新日:

273 諸々の道の内では、八つの部分よりなる正しい道(八正道)が最もすぐれている。諸々の真理の内では、四つの句(四諦)がもっともすぐれている。諸々の徳の内では、情欲を離れることが最もすぐれている。人々の内では、眼ある人(ブッダ)が最もすぐれている。

274 これこそ道である。真理を見る働きを清めるためには、この他に道は無い。あなたたちはこの道を実践せよ。これこそ悪魔を迷わして打ちひしぐものである。

275 あなたたちがこの道を行くならば、苦しみをなくすことが出来るであろう。棘や矢が肉に刺さったのであれば、棘や矢を抜いて癒す方法を知って、わたくしはあなたたちにこの道を説いたのだ。

276 あなたたちはみずから努めよ。諸々の如来(修行を完成した人)はただ教えを説くだけである。心をおさめて、この道を歩む者どもは、悪魔の束縛から脱れるであろう。

277 「一切の形成されたものは無常である」(諸行無常)と明らかな知慧をもって観る時に、人は苦しみから遠ざかり離れる。これこそ人が清らかになる道である。

278 「一切の形成されたものは苦しみである」(一切皆苦)と明らかな知慧をもって観る時に、人は苦しみから遠ざかり離れる。これこそ人が清らかになる道である。

279 「一切の事物は我ならざるものである」(諸法非我)と明らかな知慧をもって観る時に、人は苦しみから遠ざかり離れる。これこそ人が清らかになる道である。

280 起きるべき時に起きないで、若くて力があるのにおこたりなまけていて、意志も思考も薄弱で、怠惰でものうい人は、明らかな知慧によって道を見出すことがない。

281 言葉を慎しみ、心を落ち着けて慎しみ、身に悪を為してはならない。これらの三つの行ないの路を浄く保つならば、仙人(仏)の説きたもうた道を克ち得るであろう。

282 実に心が統一されたならば、豊かな知慧が生じる。心が統一されないならば、豊かな知慧が滅びる。生じることと滅びることとのこの二種の道を知って、豊かな知慧が生ずるように自己を整えよ。

283 一つの樹をを伐るのではなくて、煩悩の林を伐れ。危険は林から生じる。煩悩の林とその下生えとを切って、林(煩悩)から脱れた者となれ。修行僧らよ。

284 たとい僅かであろうとも、男の女に対する欲望が断たれない間は、その男の心は束縛されている。乳を吸う子牛が母牛を恋い慕うように。

285 自己の愛執を断ち切れ、池の水の上に出て来た秋の蓮を手で断ち切るように。静かな安らぎに至る道を養え。めでたく行きし人(仏)は安らぎを説きたもうた。

286 「わたしは雨期にはここに住もう。冬と夏とにはここに住もう」と愚者はこのようにくよくよとおもんぱかって、死が迫って来るのに気がつかない。

287 子どもや家畜のことに気を奪われて心がそれに執著している人を、死はさらって行く。眠っている村を大洪水が押し流すように。

288 子も救うことが出来ない。父も親戚もまた救うことが出来ない。死に捉えられた者を、親族も救い得る能力がない。

289 心ある人はこの道理を知って、戒律を守り、すみやかにニルヴァーナに至る道を清くせよ。

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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

なお、底本としてパーリ語経典の『ダンマパダ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの真理の言葉 感興の言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

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