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『正法眼蔵随聞記』104、古人の云く百尺の竿頭にさらに一歩を進むべし
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
こ, 世間の物差しで考えない, 正法眼蔵随聞記, 自分のことばかり考えずに名誉心をも捨てる, 自分の考えを改めるべき場面, 評価されることを望まない, 重要な話示して云く、古人の云く、「百尺の竿頭にさらに一歩を進むべし。」と。この心は、十丈の竿のさきにのぼりて、なお手足をはなちて即ち身心を放下せんが如し。 是れについて重々の事あり。 今の世の人、世をのがれ家 ...
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『正法眼蔵随聞記』106、学人各々知るべし
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
か, どんな言葉で話せばいいか, 人は影響し合う, 建仁寺-京都府京都市東山区, 徳が外にあらわれるということ, 正法眼蔵随聞記, 物質的に豊かではない事のメリット, 目の前の人のために出来ることをする, 自分の考えを改めるべき場面, 重要な話示して云く、学人各々知るべし、人々一の非あり、憍奢是れ第一の非なり。内外の典籍に同じく是れをいましむ。 外典に云く、「貧しくしてへつらわざるはあれども、富みておごらざるはなし。」と云って、なお富を制し ...
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『正法眼蔵随聞記』43、真実内徳無うして人に貴びらるべからず
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
し, 外見でその人を判断してはいけない, 徳が外にあらわれるということ, 正法眼蔵随聞記夜話に云く、真実内徳無うして人に貴びらるべからず。 この国の人は真実の内徳をばさぐりえず、外相をもて人を貴ぶほどに、無道心の学人は、即ちあしざまにひきなされて、魔の眷属となるなり。人に貴びられじと思わ ...
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『正法眼蔵随聞記』63、唐の太宗即位の後
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
と, どんな言葉で話せばいいか, 分け隔てする心を改める, 正法眼蔵随聞記, 目の前の人のために出来ることをする一夜示して云く、唐の太宗即位の後、旧き殿に栖み給えり。破損せる間、湿気あがり、侵して玉躰侵さるべし。臣下作造るべき由を奏しければ、帝の云く、「時、農節なり。民定めて愁あるべし。秋を待って造るべし。湿気 ...
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『正法眼蔵随聞記』34、今の世、出世間の人
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
い, その時その時を大事にする, 他人の評価を気にするのはやめよう, 心を整えるのは難しいこと, 正法眼蔵随聞記, 生あるものに利益を与えることを行う, 自分のことばかり考えずに名誉心をも捨てる夜話に云く、今の世、出世間の人、多分は善事をなしては、かまえて人に識られんと思い、悪事をなしては人に知られじと思う。これに依って内外不相応の事出来たる。相構えて内外相応し、誤りを悔い、実徳を蔵して、外 ...
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『正法眼蔵随聞記』50、衲子の行履旧損の衲衣等を
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
の, 余計なものを貯えずに生きる, 正法眼蔵随聞記示して云く、衲子の行履、旧損の衲衣等を綴り補うて捨てざれば物を貪惜するに似たり。旧きをすて、当たるに随ってすぐせば、新しきを貪惜する心あり。二つながら咎あり。いかん。 問うて云く、畢竟じて如何が用心す ...
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『正法眼蔵随聞記』98、人の心元より善悪なし
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
どんな聞き方をすればいいか, ひ, 人は影響し合う, 他人の評価を気にするのはやめよう, 何を基準に物事を見ているか, 心を整えるのは難しいこと, 正法眼蔵随聞記, 重要な話一日雑話の次に云く、人の心元より善悪なし。善悪は縁に随っておこる。仮令、人発心して山林に入る時は、林家はよし、人間はわるしと覚ゆ。また退心して山林を出る時は、山林はわるしと覚ゆ。是れ即ち決定して心に定 ...
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『正法眼蔵随聞記』51、父母の報恩等の事
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
ふ, 世間の物差しで考えない, 中国の寺院の様子, 正法眼蔵随聞記, 生あるものに利益を与えることを行う, 追善供養夜話の次に奘問うて云く、父母の報恩等の事、作すべきか。 示して云く、孝順はもっとも用うる所なり。ただし、その孝順に在家出家の別あり。在家は孝経等の説を守りて生をつかう。死につかうる事、世人皆知れり。出 ...
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『正法眼蔵随聞記』67、学道の人多分云く
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
か, 世間の物差しで考えない, 他人の評価を気にするのはやめよう, 正法眼蔵随聞記, 評価されることを望まないまた云く、学道の人、多分云く、もしその事をなさば世人是れを謗ぜんかと。この条甚だ非なり。世間の人何とも謗ずとも、仏祖の行履、聖教の道理にてだにもあらば依行すべし。世人挙って褒るとも、聖教の道理にあらず ...
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『正法眼蔵随聞記』99、大恵禅師ある時
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
た, ひたすら坐禅することの重要性, 仏祖になった人の生き方, 正法眼蔵随聞記, 病気の時の学び方示して云く、大恵禅師、ある時尻に腫物を出す。 医師是れを見て、「大事の物なり。」と云う。 恵云く、「大事の物ならば死すべしや。」 医云く、「ほとんどあやうかるべし。」 恵云く、「もし死ぬべくは、いよい ...
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『正法眼蔵随聞記』36、行者先ず心を調伏しつれば
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
き, 他人の評価を気にするのはやめよう, 心を整えるのは難しいこと, 正法眼蔵随聞記, 自分のことばかり考えずに名誉心をも捨てる示して云く、行者先ず心を調伏しつれば、身をも世をも捨つる事は易きなり。ただ言語につき行儀につきて人目を思う。この事は悪事なれば人悪く思うべしとてなさず、我れこの事をせんこそ仏法者と人は見めとて、事に触 ...
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『正法眼蔵随聞記』68、某甲老母現在せり
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
な, 大鑑慧能, 正法眼蔵随聞記, 物事を始めるタイミング, 目の前の人のために出来ることをする, 頼みごとをされた場合の対処方法また僧云く、某甲老母現在せり。我れは即ち一子なり。ひとえに某甲が扶持にて度世す。恩愛もことに深し。孝順の志も深し。是れに依っていささか世に順い人に随って、他の恩力をもて母の衣粮にあづかる。もし遁世籠居 ...
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『正法眼蔵随聞記』38、唐の太宗の時
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
と, 余計なものを貯えずに生きる, 徳が外にあらわれるということ, 正法眼蔵随聞記, 自分の考えを改めるべき場面, 重要な話夜話に云く、唐の太宗の時、魏徴奏して云く、「土民、帝を謗ずる事あり。」 帝の云く、「寡人仁あって人に謗ぜられば愁と為すべからず。仁無くして人に褒められばこれを愁うべし。」と。 俗なお是の如し。僧はもっ ...
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『正法眼蔵随聞記』54、近代の僧侶
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
き, 世間の物差しで考えない, 何を基準に物事を見ているか, 正法眼蔵随聞記一日請益の次に云く、近代の僧侶、多く世俗にしたがうべしと云う。思うに然らず。世間の賢すらなお民俗に随う事を穢れたる事と云って、屈原の如きは「皆酔えり。我れは独醒めたり。」とて、民俗に随わずしてついに滄 ...
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『正法眼蔵随聞記』39、学道の人は人情をすつべきなり
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
か, そのままを理解する, 仏祖になった人の生き方, 何を基準に物事を見ているか, 正法眼蔵随聞記, 自分のことばかり考えずに名誉心をも捨てる, 自分の考えを改めるべき場面夜話に云く、学道の人は人情をすつべきなり。人情を捨つると云うは、仏法に順じ行ずるなり。世人多くは小乗根性なり。善悪を弁じ是非を分ち、是を取り非を捨つるはなお是れ小乗の根性なり。ただ世情を捨つれば仏道に ...
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『正法眼蔵随聞記』55、治世の法は上天子より
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
し, そのままを理解する, その時その時を大事にする, 正法眼蔵随聞記, 自分の考えを改めるべき場面一日示して云く、治世の法は、上天子より下庶民に至るまで各皆その官に居する者、その業を修す。その人にあらずしてその官をするを乱天の事と云う。政道天意に叶う時、世清み民康すきなり。故に帝は三更の三点におさ ...
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『正法眼蔵随聞記』72、嘉禎二年臘月除夜
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
1236年, か, その時その時を大事にする, ひたすら坐禅することの重要性, 人は影響し合う, 仏祖になった人の生き方, 正法眼蔵随聞記, 興聖寺-京都府宇治市, 麻三斤嘉禎二年臘月除夜、始めて懐奘を興聖寺の首座に請ず。即ち小参の次、秉払を請ふ。初めて首座に任ず。即ち興聖寺最初の首座なり。 小参に云く、宗門の仏法伝来の事、初祖西来して少林に居して機をまち時を期して面壁 ...
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『正法眼蔵随聞記』27、祖席に禅話を覚り得る故実
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
そ, そのままを理解する, 何を基準に物事を見ているか, 正法眼蔵随聞記, 自分の考えを改めるべき場面, 重要な話夜話に云く、祖席に禅話を覚り得る故実は、我が本より知り思う心を、次第に知識の言に随って改めて去くなり。 仮令仏と云うは、我が本知ったるようは、相好光明具足し、説法利生の徳ありし釈迦弥陀等を仏と知ったり ...
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『正法眼蔵随聞記』108、跋語
先師永平奘和尚学地に在りし日、学道の至要聞くに随って記録す。所以に随聞と謂う。雲門室中の玄記のごとく、永平の宝慶記のごとし。今六冊を録集して巻を記し仮名正法眼蔵拾遺分の内に入る。六冊倶に嘉禎年中の記録 ...
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『正法眼蔵随聞記』29、人は思い切って命をも捨て
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
ひ, 何を基準に物事を見ているか, 心を整えるのは難しいこと, 正法眼蔵随聞記示して云く、人は思い切って命をも捨て、身肉手足をも斬る事は中々せらるるなり。然れば、世間の事を思い、名利執心の為にも、是のごとく思うなり。ただ依り来る時に触れ、物に随って心品を調うる事難きなり。 学者 ...
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『正法眼蔵随聞記』77、三覆して後に云え
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
さ, どんな言葉で話せばいいか, 何を基準に物事を見ているか, 分かったと思ったことはそのままにせず様々な点から考え直す, 建仁寺-京都府京都市東山区, 栄西禅師, 正法眼蔵随聞記示して云く、「三覆して後に云え。」と云う心は、おおよそ物を云わんとする時も、事を行わんとする時も、必ず三覆して後に言い行うべし。先儒多くは三たび思いかえりみるに、三たびながら善ならば云い行なえと云うな ...
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『正法眼蔵随聞記』79、世間の人多分云く
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
せ, その時その時を大事にする, 何を基準に物事を見ているか, 正法眼蔵随聞記, 物事を始めるタイミングまた云く、世間の人多分云く、「学道の志あれども世のすえなり、人くだれり。我が根劣なり。如法の修行に堪うべからず。ただ随分にやすきにつきて結縁を思い、他生に開悟を期すべし。」と。 今は云く、この言う事は ...
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『正法眼蔵随聞記』80、俗人の云く城を傾くる事は
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
そ, 仏祖になった人の生き方, 分け隔てする心を改める, 教える人の心構え, 正法眼蔵随聞記, 重要な話示して云く、俗人の云く、「城を傾くる事は、うちにささやき事出来るによる。」 また云く、「家に両言有る時は針をも買ふ事なし。家に両言無き時は金をも買うべし。」と。 俗人なお家をもち城を守るに同心ならでは ...
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『正法眼蔵随聞記』96、先師全和尚入宋せんとせし時
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
せ, その時その時を大事にする, 他人の評価を気にするのはやめよう, 何を基準に物事を見ているか, 正法眼蔵随聞記示して云く、先師全和尚、入宋せんとせし時、本師叡山の明融阿闍梨、重病に沈み、既に死なんとす。 その時この師云く、「我れ既に老病に沈み、死去せんとする事近きにあり。汝一人老病をたすけて、冥路をとぶらうべ ...
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『正法眼蔵随聞記』97、世間の人自ら云く
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
せ, どんな聞き方をすればいいか, 仏祖になった人の生き方, 正法眼蔵随聞記, 自分の考えを改めるべき場面, 重要な話一日示して云く、世間の人、自ら云く、「某甲師の言を聞くに、我が心にかなわず。」と。 我れ思うに、この言は非なり。その心如何。もし聖教等の道理を心得をし、すべてその心に違する、非なりと思うか。もし然らば ...
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『正法眼蔵随聞記』14、俗の帝道の故実を言うに
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
そ, 正法眼蔵随聞記, 自分の考えを改めるべき場面, 重要な話示して云く、俗の帝道の故実を言うに云く、「虚襟にあらざれば忠言をいれず。」と。言は、己見を存ぜずして、忠臣の言に随って、道理にまかせて帝道を行なうなり。 衲子の学道の故実もまたかくのごとくなるべし。も ...
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『正法眼蔵随聞記』15、続高僧伝の中に
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
そ, ひたすら坐禅することの重要性, 正法眼蔵随聞記, 続高僧伝一日示して云く、『続高僧伝』の中に、ある禅師の会に一僧あり。金像の仏と、また仏舍利とを崇め用いて、衆寮等にも有って、常に焼香礼拝し恭敬供養す。 有る時禅師の云く、「汝が崇むる処の仏像舍利は、後には汝が ...
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『正法眼蔵随聞記』17、人その家に生まれ、その道に入らば
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
ひ, ひたすら坐禅することの重要性, 正法眼蔵随聞記, 物事を始めるタイミング, 自分の考えを改めるべき場面一日示して云く、人その家に生まれ、その道に入らば、先ずその家の業を修すべし、知るべきなり。我が道にあらず、自が分にあらざらん事を知り修するは即ち非なり。 今も出家人として、即ち仏家に入り、僧道に入らば ...
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『正法眼蔵随聞記』37、故僧正建仁寺におはせし時
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
こ, 仏祖になった人の生き方, 他人の評価を気にするのはやめよう, 余計なものを貯えずに生きる, 建仁寺-京都府京都市東山区, 栄西禅師, 正法眼蔵随聞記, 頼みごとをされた場合の対処方法示して云く、故僧正建仁寺におはせし時、独りの貧人来って云く、「我が家貧にして絶煙数日におよぶ、夫婦子息両三人餓死しなんとす。慈悲をもて是れを救い給え。」と云う。 その時、房中に都て衣食財物等無りき。思 ...
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『正法眼蔵随聞記』74、学道の人、悟りを得ざる事は
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
か, そのままを理解する, 世間の物差しで考えない, 悟り, 正法眼蔵随聞記, 自分の考えを改めるべき場面学道の人、悟りを得ざる事は、即ち古見を存ずる故なり。本より誰教えたりとも知らざれども、心と云えば念慮知見なりと思い、草木なりと云えば信ぜず。仏と云えば相好光明あらんずると思うて、瓦礫と説けば耳を驚かす ...
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『正法眼蔵随聞記』82、ある客僧の云く、近代の遁世の法
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
あ, その時その時を大事にする, 仏祖になった人の生き方, 正法眼蔵随聞記, 物質的に豊かではない事のメリット一日ある客僧の云く、「近代の遁世の法、各々時料等の事、かまえて、後、わづらいなきように支度す。これ小事なりと云えども学道の資縁なり。かけぬれば事の違乱出来る。今この御様を承り及ぶに、一切その支度なく、 ...
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『正法眼蔵随聞記』83、伝へ聞きき、実否を知らざれども
2023/06/11 -仏教を本気で学ぶ
つ, どんな言葉で話せばいいか, 徳が外にあらわれるということ, 正法眼蔵随聞記, 目の前の人のために出来ることをする示して云く、伝へ聞きき、実否を知らざれども、故持明院の中納言入道、ある時秘蔵の太刀を盗まれたりけるに、さぶらひの中に犯人ありけるを、余のさぶらひ沙汰し出してまひいらせたりしに、入道の云く、「是れは我が ...