【仏教用語/人物集 索引】

『正法眼蔵随聞記』42、我れ在宋の時禅院にして古人の語録を見し時

投稿日:1235年6月11日 更新日:

一日示して云く、我れ在宋の時、禅院にして古人の語録を見し時、ある西川の僧の道者にてありしが、我れに問うて云く、「何の用ぞ。」
云く、「郷里に帰って人を化せん。」
僧云く、「何の用ぞ。」
云く、「利生のためなり。」
僧云く、「畢竟じて何の用ぞ。」と。

予、後にこの理を案ずるに、語録公案等を見て、古人の行履をも知り、あるいは迷者のために説き聴かしめん、皆是れ自行化他のために無用なり。只管打坐して大事を明らめ、心の理を明らめなば、後には一字を知らずとも、他に開示せんに、用い尽くすべからず。故に彼の僧、畢竟じて何の用ぞとは云いけると、是れ真実の道理なりと思うて、その後語録等を見る事をとどめて、一向に打坐して大事を明らめ得たり。

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『正法眼蔵随聞記』

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