示して云く、無常迅速なり、生死事大なり。しばらく存命の間、業を修し学を好まんには、ただ仏道を行じ仏法を学すべきなり。
文筆詩歌等その詮なきなり。捨つべき道理左右に及ばず。仏法を学し仏道を修するにもなお多般を兼ね学すべからず。況んや教家の顕密の聖教、一向にさしおくべきなり。仏祖の言語すら多般を好み学すべからず。
一事を専らにせん、鈍根劣器のものかなうべからず。況んや多事を兼ねて心想を調えざらん、不可なり。
※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。
『正法眼蔵随聞記』
<< 戻る