五蓋とは、貪欲、いかり、心のしずむこと、心のそわそわすること、疑い、この5つの煩悩の総称をいう。蓋は巴語で
nīvaraṇa /ニーヴァラナといい、認識を覆う障害のこと。瞑想(禅定)を邪魔する5つの障害を意味する。これらは心の明らかな働きを覆いかくして蓋(かさ)のようになり、善を生ぜしめない五つの覆いとなっています。
①貪欲、むさぼり、情欲
②いかり、瞋恚
③心のしずむこと、心くらく身も重く、眠り込んだようなものうい状態
④心のそわそわすること、心がざわざわして高ぶる働き、心を悩ませる後悔
⑤疑いためらうこと
・「五つの蓋いを捨て、悩みなく、疑惑を越え、苦悩の矢を抜き去られた修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る」(スッタニパータ 17偈)
・「五蓋の煩悩皆無明より起る。無明は、己を明らめざるなり。坐禅は是れ、己を明らむる也。」(坐禅用心記)
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