十二処とは、主観に属する六つの機官である六根と、客観に属する六種の対象である六境のことです。主観面である内的な六つの場と、客観面である外的な六つの場とに、対応関係があるのをまとめたもの。三科の一つ。12処。
①眼と色・形との対立関係
②耳と音声との対立関係
③鼻と香りとの対立関係
④舌と味との対立関係
⑤皮膚と触れられるものとの対立関係
⑥心と考えられるものとの対立関係
見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる・知り思う、の六種の心の働きを起こす側と、それらの働きの起こされる対象である次の、見られるもの・聞かれるもの・嗅がれるもの・味わわれるもの・触れられるもの・知られ思われるもの、とをいいます。
・「妄愛という母とわれありという慢心である父とを滅ぼし、永久に存在するという見解と滅びて無くなるという見解という二人の武家の王を滅ぼし、主観的機官と客観的対象とあわせて十二の領域である国土と喜び貪りという従臣とを滅ぼして、バラモンは汚れなしに赴く。」(ダンマパダ 294偈)
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