『ブッダ最後の旅』に登場する民族をまとめました。
① ヴァッジ族
マガダ国王アジャータシャトル(阿闍世)は、ヴァッジ族を征服しようと考えていた際、マガダ国の大臣であるヴァッサカーラというバラモンを使いに出し、ブッダにアドバイスを求めたところブッダは次のように答えました。
「バラモンよ。かつてある時、わたくしがヴァイシャリのサーランダダ霊域に住んでいた。そこで、わたくしはヴァッジ人に衰亡を来たさないための法を説いた。この七つがヴァッジ人の間に存し、またヴァッジ人がこの七つを守っているのが見られる限りは、ヴァッジ人に繫栄が期待せられ、衰亡は無いであろう。」
また、旅の途中、パータリ村に滞在した際、マガダ国の二人の大臣であるスニーダとヴァッサカーラとは、ヴァッジ族の侵入を防ぐために、パータリ村に城郭を築いていた。
② ナーディカ族
お釈迦様は多くの修行僧と共に、ナーディカ族のいるところに滞在しました。そのナーディカでお釈迦様はレンガ堂の内で過ごしました。ここでは法の鏡という名の法門を説いています。
③ リッチャヴィ族
ヴァイシャリ市に居住する民族。
「おい、アンバパーリーよ。お前が多くのリッチャヴィ族の若者どもに、軸と軸、輪と輪、軛(くびき)と軛を衝突させたのは、どうしてであるか?」と。
「貴公子様方よ。わたくしは尊師を修行僧たちと共に、明日わたくしの家でお食事をなさるようにご招待したからです。」
「やあ、アンバパーリーよ。十万金をあげるから、そのお食事のおもてなしを我々にさせてくれ。」
「貴公子様方よ。たとえあなた方が、わたくしにヴァイシャリ市とその領土をくださっても、この素晴らしい食べ物のおもてなしを譲りは致しません。」
「ヴァイシャリに住むリッチャヴィ族は、ヴァイシャリに、尊師の遺骨の為にストゥーパをつくり、また、祭りを行なった。」
④ マッラ族(クシナガラ系統)
「クシナガラに住んでいるマッラ族は、香と花輪と楽器を全て取って、また、五百組の布を取って、尊師の遺体のあるマッラ族のウパヴァッタナの沙羅樹林に赴いた。そこに赴いてから、舞踊、歌謡、音楽、花輪、香料をもって、尊師の遺体をうやまい、重んじ、尊び、供養し、天幕を張り、多くの布の囲いをつけて、このようにしてその日を過ごした。」
⑤ マッラ族(パーヴァー系統)
パーヴァーに住むマッラ族は、クシナガラに住むマッラ族に使者を遣わして、「尊師も王族の出身であり、我々も王族である。我々もまた尊師の遺骨(舎利)の一部分の分配を受ける資格がある。我々もまた尊師の遺骨を納めるストゥーパ(舎利塔)をつくって、祭りを行いましょう」と言った。
⑥ 釈迦族
カピラ城に住む釈迦族も、カピラ城に、尊師の遺骨の為にストゥーパをつくり、また、祭りを行なった。
⑦ ブリ族
アッラカッパに住むブリ族は、クシナガラに住むマッラ族に使者を遣わして、「尊師も王族の出身であり、我々も王族である。我々もまた尊師の遺骨(舎利)の一部分の分配を受ける資格がある。我々も尊師の遺骨を納めるストゥーパ(舎利塔)をつくって、祭りを行いましょう」と言った。
⑧ コーリヤ族
ラーマ村に住むコーリヤ族は、「尊師はクシナガラでお亡くなりになったそうだ」ということを聞いた。
そこで、ラーマ村に住むコーリヤ族の人々は、クシナガラに住むマッラ族に使者を遣わして、「尊師も王族の出身であり、我々も王族である。我々もまた尊師の遺骨(舎利)の一部分の分配を受ける資格がある。我々もまた尊師の遺骨を納めるストゥーパ(舎利塔)をつくって、祭りを行いましょう」と言った。