薬師如来、薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)について、このページでは主に造像さた仏像としての薬師如来像、薬師瑠璃光如来像について書きます。如来とは悟りを開いた仏の姿で、薬師如来は、東方の浄瑠璃世界(じょうるりせかい)の教主で、西方の極楽浄土の教主である阿弥陀如来と相対しています。また、大医王仏とも呼ばれます。
衣服は全身を覆う一枚の衲衣(のうえ)や大衣(だいえ)の布を着て、装飾品は身につけず、持物は左手に薬壺(やっこ)を持つか、何も持っていないものもあります。頭部は螺髪(らほつ)と呼ばれる髪型で、中央部は頂髻相(ちょうけいそう)・肉髻(にっけい)を表していて盛り上がっています。眉間には白毫(びゃくごう)があります。その他、原則として仏の三十二相(さんじゅうにそう)に倣っています。
薬師如来の代表的な印相(いんぞう)・印契(いんげい)は、右手を施無畏印(せむいいん)、左手を与願印(よがんいん)とし、左手には薬壺を持つか、何も持っていないものもあります。坐像、立像など様々です。単独の仏像の他にも、薬師三尊像として、また、眷属として十二神将像をともに寺院にまつられる場合が多くあります。薬師如来の光背には、七体または六体、もしくは七体の同じ大きさの像容があり、これは七仏薬師といって薬師如来とその化身仏とされます。
(薬師如来像 新薬師寺蔵)
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