アニルッダ(Aniruddha、अनिरुद्ध)、阿那律(あなりつ)、阿㝹楼駄(あぬるだ)、アヌルッダ(Anuruddha)
ブッダの従弟であり、十大弟子の一人で「天眼第一」といわれています。釈迦族のドロノダーナ(斛飯王)、あるいはアムリトダーナ(甘露飯)のどちらかの太子で、兄・マハーナーマ(摩訶男)の弟とされます。
ブッダが故郷カピラヴァストゥ城に帰り、ナンダ(難陀)、ラーフラ(羅睺羅)がまず仏弟子となると、釈迦族の青年が次々と出家することになりました。アニルッダも兄のマハーナーマと相談して出家することになったといいます。
あるいは、母親が兄弟共に出家させるのは忍びないので「バドリカ(跋提梨迦王、スッドーダナ(浄飯王)が隠退した時にカピラヴァストゥ城の城主となった)が出家すれば、出家してもよい」と言われたので、彼は親友であるバドリカに事情を話して、7日の猶予の後に共に出家することになったという説もあります。
後にコーサラ国の舎衛城にあった祇園精舎でのブッダの説法中に眠ってしまい、ブッダより「あなたは道を求めて出家したのに、説法中居眠りをするとは出家の決意はどうなったのか」と叱責されると、それ以後は不眠・不臥の修行をしたといいます。これにはブッダも心配し、眠ってもよいと諭されたが、彼はその誓いを全うしついに失明してしまいます。しかし、その失明により、天眼を得たとされました。
ブッダ最後の旅にも同行し、ブッダ入滅において慟哭し悲嘆する弟子たちを慰め励ました。ブッダ入滅後、アーナンダ(阿難陀)に指示してクシナガラのマッラ族に葬儀の用意をさせたともいわれます。
<< 戻る