布薩(ウポーサタ)とは、主要な行動を起こすために準備をすることが元々の意味です。布薩の日には、一堂に会して戒律の条項を読み、罪を懺悔します。布薩はウポーサタの音写です。伝説によると、仏教の初期において、ビンビサーラ王の勧めにより布薩の行事を取り入れ、時代によってその内容は変更を重ねています。
出家者の布薩は半月に1回、満月と新月の日に行いましたが、最も主要なものは満月の日に行いました。一堂に会して戒律の条項を読み、罪を懺悔します。
在家信者の布薩は半月に3回、行いました。その日に八つの戒めを守り、説法を聞き、断食し、出家者に食物を給します。(詳細は下記にて)
以上の布薩の内容は初期の仏教についての説明です。時代によって変化していることは確かなようで、現在行われている布薩で正しいとされることも、定められた時代には相応しかったことかもしれませんが、お釈迦様の時代の布薩を知りたい人、現代に相応しい布薩を実践したい人、様々な興味があると思いますが、「どれが正しいの?」と悩まないでください。布薩の内容が一定しないということは確かなようです。
・ (1)生きものを害してはならぬ。(2)与えられないものを取ってはならぬ。(3)嘘をついてはならぬ。(4)酒を飲んではならぬ。(5)婬事たる不浄の行いをやめよ。(6)夜に時ならぬ食事をしてはならぬ。(7)花かざりを着けてはならぬ。芳香を用いてはならぬ。(8)地上に床を敷いて隠れるべし。これこそ実に八つの項目より成るウポーサタ(斎戒)であるという。苦しみを修滅せしめるブッダが宣示したもうたものである。
そうしてそれぞれ半月の第八日、第十四日、第十五日にウポーサタを修せよ。八つの項目より成る完全なウポーサタを、きよく澄んだ心で行え。また特別の月においてもまた同じ。ウポーサタを行なった物事の解った人は次に、きよく澄んだ心で喜びながら、翌朝早く食物とを適宜に修行僧の集いに分かち与えよ。(スッタニパータ 400~403偈)
・「今日は十五日のウポーサタである。みごとな夜が近づいた。さあ、我々は世にもすぐれた名高い師ゴータマ(ブッダ)にお目にかかろう。」(スッタニパータ 153偈)
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