十大弟子

仏教を本気で学ぶ

十大弟子(じゅうだいでし)

ブッダの多くの弟子の中でも代表とされる十大弟子です。多くの経典にも登場し、後には造像も盛んに行われました。・マハーカッサパ(摩訶迦葉/頭陀第一)・アーナンダ(阿難/多聞第一)・サーリプッタ(舎利子、舎利弗/智恵第一)・モッガラーナ(目犍連、目連/神通第一)・スブーティ(須菩提/解空第一)・プールナマイトラーヤニープトラ(富楼那/説法第一)・マハーカッチャーナ(摩訶迦旃延/論議第一)・アニルッダ(阿那律/天眼第一)・ウパーリ(優波離/持律第一)・ラーフラ(羅睺羅/密行第一)<< 戻る
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アーナンダ(阿難)

アーナンダ(aananda,आनन्द)、阿難 (あなん)、阿難陀(あなんだ)ブッダの従弟であり、十大弟子の一人で「多聞第一」といわれています。nandaは歓喜・慶喜という意味です。釈迦族の王族であるドートーダナ(斛飯王・こくはんおう)の子であり、仏教経典に悪人として描かれているデーヴァダッタ(提婆達多)の弟です(諸説あり)。禅宗の系譜ではブッダの教えを伝えられた第一祖のマハーカッサパ(摩訶迦葉)より法を伝えた第二祖とされ、さらにその弟子の商那和修に伝えられています。ブッダが成道した日の未明、父のスッドーダナ(浄飯王・じょうはんおう)は自分の子がブッダとなったことをいち早く感得していました。大...
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ウパーリ(優波離)

ウパーリ(upaali、उपालि) 優波離(うばり)ブッダの十大弟子の一人で「持律第一」といわれています。ウパーリはインドのカースト制度の中でも下層であるスードラの出身で、カピラヴァストゥ城、釈迦族を担当する理髪師をしていました。ブッダがカピラヴァストゥ城に帰国し、スンダラ・ナンダ(孫陀羅難陀/お釈迦様の異母兄弟)、ラーフラ(羅睺羅/密行第一)が弟子となった後、アニルッダ(阿那律・あなりつ)、跋提梨迦(五比丘の一人とは別人)、金毘羅、婆咎、アーナンダ(阿難陀)、デーヴァダッタ(提婆達多)の6人の諸王子がブッダの弟子となるらしいとの話を聞き、ウパーリはアニルッダに従いアヌピヤー村に向かいます。...
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アニルッダ(阿那律)

アニルッダ(Aniruddha、अनिरुद्ध)、阿那律(あなりつ)、阿㝹楼駄(あぬるだ)、アヌルッダ(Anuruddha)ブッダの従弟であり、十大弟子の一人で「天眼第一」といわれています。釈迦族のドロノダーナ(斛飯王)、あるいはアムリトダーナ(甘露飯)のどちらかの太子で、兄・マハーナーマ(摩訶男)の弟とされます。ブッダが故郷カピラヴァストゥ城に帰り、ナンダ(難陀)、ラーフラ(羅睺羅)がまず仏弟子となると、釈迦族の青年が次々と出家することになりました。アニルッダも兄のマハーナーマと相談して出家することになったといいます。あるいは、母親が兄弟共に出家させるのは忍びないので「バドリカ(跋提梨迦王...
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マハーカッチャーナ(摩訶迦旃延)

マハーカッチャーナ(mahaakaccaana、महाकच्चान)、迦旃延(かせんねん)、摩訶迦旃延 (まかかせんねん)ブッダの十大弟子の一人で「論議第一」といわれています。カッチャーナ(迦旃延)の名は、婆羅門種の十姓の一つで、姓を以って名としているため、尊称してマハー(摩訶)カッチャーナ(迦旃延)といいます。マハーカッチャーナの出身などにはいくつかの説があり、はっきりしないところがあります。南インドの婆羅門出身で、たいへん聡明な少年であり、また、その兄も博学でした。兄がバラモン教の根本聖典である『ヴェーダ』を講義するのを聞き、マハーカッチャーナ少年は、その講義を一度聞いただけ内容まで理解で...
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プールナマイトラーヤニープトラ(富楼那)

プールナマイトラーヤニープトラ(puurNamaitraayaniiputra、पूर्णमैत्रायनीपुत्र)、富楼那弥多羅尼弗多羅(ふるなみたらにぷとら)、富楼那弥多羅尼子 (ふるなみたらにし)、富楼那(ふるな)ブッダの十大弟子の一人で「説法第一」といわれています。大勢いたブッダの弟子の中でも、弁舌に優れていたとされます。プールナマイトラーヤニープトラ(富楼那弥多羅尼弗多羅)のマイトラーヤニー(弥多羅尼)とは母の名で、プトラ(弗多羅)は子を意味します。同じく、富楼那弥多羅尼子とも書かれます。カピラヴァストゥ城近郊のドーナバストゥ(またはスナーパランタ)という、バラモン種族に生まれま...
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スブーティ(須菩提)

スブーティ(Subhuuti、सुभूति)、須菩提(しゅぼだい)ブッダの十大弟子の一人で「解空第一」といわれています。コーサラ国のシュラバスティー(舎衛城)の長者、スダッタ(須達多長者)の弟であるシュマナ(須摩那、鳩留と漢訳)の子でバラモンの家系、または商人といわれています。スブーティは、叔父のスダッタ長者による祇園精舎が完成して寄進した記念の日に、釈迦の説法を聞き深く感銘して出家し、ブッダの弟子となりました。スブーティは解空(げくう)第一と称されましたが、解空 とは、般若心経に出てくる「色即是空空即是色」の「空」、つまり、「物事に捕らわれない、執着しない」というブッダの教えに精通し、金剛般...
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マハーカッサパ(摩訶迦葉)

マハーカッサパ(Mahaakassapa、महाकस्सप)、摩訶迦葉 (まかかしょう)、大迦葉(だいかしょう)、迦葉(かしょう)ブッダの十大弟子の一人で「頭陀第一」といわれています。マガダ国の王舎城付近のマハーハーダラ(摩訶波羅陀)村のバラモンであるニグローダ・ゴーパ(尼拘律陀羯波)の子で、ピッパラ(菩提樹)の下で生まれたことから、幼名をピッパリといわれました。裕福なバラモンの家系の出身であると伝えられます。カッサパ(迦葉)という姓は、古代インドで一般的な名であったといわれ、仏弟子中には三迦葉という三人兄弟や十力迦葉という名前も登場しますが、このマハーカッサパ(摩訶迦葉)とは別人です。禅宗の...
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モッガラーナ(目犍連、目連)

モッガラーナ(moggallaana、मोग्गळान)、目犍連(もっけんれん)、目連(もくれん)、摩訶目犍連(まかもっけんれん)ブッダの十大弟子の一人で「神通第一」といわれています。マガダ国のラージャグリハ(王舎城)北、コーリカ(拘利迦)村のバラモンの裕福な家系に生まれ、幼名は産まれた村の名前にちなんでコーリタと名付けられました。容姿端麗で一切の学問に精通していたといわれます。幼い頃から隣村ナーラダのサーリプッタとは仲が良く、ある日、人々が祭りに興じて遊び戯れている姿を見て、無常を感じて出家を共に決意し合ったといわれます。モッガラーナとサーリプッタはマガダ国のラージャグリハの懐疑論者サンジャ...
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サーリプッタ(舎利子、舎利弗)

サーリプッタ(saariputta、सारिपुत्त)、シャーリプトラ、舎利子(しゃりし)、舎利弗(しゃりほつ)ブッダの十大弟子の一人で「智恵第一」といわれています。マガダ国のラージャグリハ(王舎城)北、ナーラダ(那羅陀、現在ナーランダ)村出身で裕福なバラモンの家に生まれました。幼名はウパティッサ(優波帝沙)と名付けられました。幼い頃から隣村コーリカのモッガラーナとは仲が良く、ある日、人々が祭りに興じて遊び戯れている姿を見て、無常を感じて出家を共に決意し合ったといわれます。サーリプッタとモッガラーナはマガダ国のラージャグリハの懐疑論者サンジャヤというバラモンに弟子入りしましたが満足せず、「も...
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第一結集(だいいちけつじゅう)- 七葉窟(ななようくつ)

(七葉窟/インド・ビハール州ラージギル)紀元前485年2月15日以降の出来事(インド)仏教の開祖、お釈迦様(ゴータマ・シッダッタ/ブッダ)がクシナガラで入滅(諸説あり。この年表では565年誕生説に基づいて出来事を記述しています。)した後、第一結集が王舎城(おうしゃじょう/ラージャグリハ)郊外の七葉窟において、マガダ国の王アジャータシャトル(父王ビンビサーラを殺害したが改心しお釈迦様に帰依するようになった)が主催者となり行われる。500人の比丘(500人の阿羅漢/五百羅漢)が集い、摩訶迦葉が座長となり、阿難と優波離が、それぞれ経(経典)と律(戒律)の編集責任者となる。「結集」のサンスクリット語(...
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ラーフラ(羅睺羅)

(羅睺羅尊者像・京都満福寺)ラーフラ(raahula、राहुल)、羅睺羅(らごら)、羅候羅、羅怙羅、羅云等ブッダの実子であり、十大弟子の一人で「密行第一」といわれています。厳密にいえば、後にブッダとなった出家する前の釈迦族の王子ゴータマ・シッダッタとヤソーダラ(耶輸陀羅)妃との間に授かった子どもです。意味は日食、月食など食を起こす魔神ラーフ(転じて障害をなすもの)等諸説ありますが、既に出家を決意していたシッダッタ王子にとって、子供の誕生は決意を鈍らせることになったと伝えられます。シッダッタ王子は29歳のとき国、身分を捨て、妻子をも残し出家します。6年後ブッダとなり、ある時、ブッダは生まれ故郷...