【仏教用語/人物集 索引】

『正法眼蔵随聞記』10、唐の太宗の時

投稿日:1235年6月15日 更新日:

示して云く、唐の太宗の時、異国より千里の馬を献ず。帝これを得て喜ばずして、自ら思わく、「たとひ千里の馬なりとも、独り騎って千里に行くとも、従う臣なくんばその詮なきなり。」と。

ちなみに魏徴を召してこれを問う。
「帝の心と同じ。」と。依って彼の馬に金帛を負せて還さしむ。
今は云く、帝なお身の用ならぬ物をば持たずして是れを還す。況んや衲子は衣鉢の外の物、決定して無用なるか。無用の物、是れを貯えて何かせん。俗なお一道を専らにする者は、田苑荘園等を持する事を要とせず。ただ一切の国土の人を百姓眷属とす。
地相法橋子息に遺嘱するに、「ただ道を専らに励むべし。」と云えり。況んや仏子は、万事を捨て、専ら一事をたしなむべし。是れ用心なり。

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『正法眼蔵随聞記』

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