口伝とは、言葉で伝えること、口づたえに伝授することです。特に、師が弟子に奥義などの秘密を口伝えに直接授けることをいいます。口訣(くけつ)。口授(くじゅ)。くちづたえ。
ブッダ(お釈迦様)の生きた時代、その教えは暗誦によって伝えられ、その作法は口伝えに直接授けられていたいたので、人が暗誦をやめてしまったら、その教えは消えてしまうことになります。下記の「ダンマパダ」には、読誦しなければ聖典が汚れる(消える)という表現があります。
なお、その教えを紙や樹葉に記録し、その聖典が読誦されるようになったのは西暦紀元後になってから一般に行われるようになったようです。
・「読誦しなければ聖典が汚れ、修理しなければ家屋が汚れ、身なりを怠るならば容色が汚れ、なおざりになるならば、つとめ慎しむ人が汚れる。」(ダンマパダ 241偈)
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