【仏教用語/人物集 索引】

『法句経』ダンマパダ【 第3章 心 】

投稿日:0202年5月30日 更新日:

33 心は、動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い。英知ある人はこれを真っすぐにする。弓師が矢の弦を真っすぐにするように。

34 水の中の住居から引き出されて陵の上になげすてられた魚のように、この心は、悪魔の支配(煩悩による生死流転の輪)から逃れようとしてもがきまわる。

35 心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するままに赴く。その心をおさめることは善いことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす。

36 心は、極めて見難く、極めて微妙であり、欲するがままに赴く。英知ある人は心を守る。心を守ったならば、安楽をもたらす。

37 心は遠くに行き、独り動き、形体なく、胸の奥の洞窟にひそんでいる。この心を制する人々は、死の束縛からのがれるであろう。

38 心が安住することなく、正しい真理を知らず、信念が汚されないならば、悟りの智慧は完全ではない。

39 心が煩悩に汚されることなく、おもいが乱れることなく、善悪の計らいを捨てて、目ざめている人には、何も恐れることが無い。

40 この身体は水瓶のように脆いものだと知って、この心を城廓のように堅固に安立して、知慧の武器をもって、悪魔と戦え。克ち得たものを守れ。しかもそれに執著することなく。

41 ああ、この身はまもなく地上に横たわるであろう、意識を失い、無用の木片のように、投げ棄てられて。

42 憎む人が憎む人に対し、怨む人が怨む人に対して、どのようなことをしようとも、邪なことを目指している心はそれよりもひどいことをする。

43 母も父もそのほか親族がしてくれるよりもさらにすぐれたことを、正しく向けられた心がしてくれる。

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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

なお、底本としてパーリ語経典の『ダンマパダ』を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダの真理の言葉 感興の言葉」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

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