【仏教用語/人物集 索引】

『伝光録』第十一祖。富那夜奢尊者。

投稿日:2004年1月12日 更新日:

【本則】

第十一祖。富那夜奢尊者。合掌立脇尊者前。尊者問曰。汝従何来。師曰。我心非往。尊者曰。汝何処住。師曰。我心非止。尊者曰。汝不定耶。師曰。諸仏亦然。尊者曰。汝非諸仏。諸仏亦非也。師聞此言。経三七日修行。得無生法忍。告尊者曰。諸仏亦非。非尊者。尊者聴許付正法。

【機縁】

師者華氏国人也。姓瞿曇氏。父宝身。脇尊者初至華氏国憩一樹下。右手指地。告衆曰。此地変金色。当有聖人入会。言訖即地変金色。時有長者子富那夜奢。合掌立云云尊者因説偈曰。此地変金色。預知聖至。当坐菩提樹覚華而成已。夜奢復説偈曰。師坐金色地。常説真実義。回光而照我。令入三摩諦。尊者知師意。即度出家。令具戒法。

【拈提】

適来因縁。夜奢尊。元来是聖者也。これによりて我心非往我心非止。諸仏亦然と説。然も猶是両箇見。也。所以者何となれば。我心も如是諸仏も如是と会す。是によりて尊者驅耕夫之牛。奪飢人之食。真実得達の人も猶是自救不了也。なに況や諸仏を存することあらんや。是によりて汝非諸仏と説。これ理性を以てしるべきにあらず。非相を以て弁ずべきにあらず。故に諸仏の智を以て知るべきにあらず。自己の識を以てはかるべきにあらず。故に此言を聞てより。三七日の間だ修習行道して。さしおくことなし。遂に一日覚触して。まさに我心を忘し。諸仏を解脱す。これを無生法忍を悟るといふ。遂にこの理に通じて。辺表なく内外なきによりて。その得処を説に曰く。諸仏亦非尊者なりと。実にこれ祖師の道は。理をもて通ずべきにあらず。心をもて弁ずべきにあらず。故に法身法性万法一心をもて究竟とするにあらず。故に不変とも説くべからず。清浄とも会すべからず。なに況んや。空寂なりと会せんや。至理なりと弁ぜんや。故に諸家の聖者。悉くこの処にいたりて初心を回し。再び心地を開明して。直に入路を通じ。速かに己見を破す。今の因縁をもて可知。已に是聖者たるによりて。来る時地すなはち変じ。徳風ものをおどろかす力あり。然れどもなほ三七日の間だ修習して。この所に達す。故に諸人者子細に明弁して。わづかに小徳小智己見旧情をもて宗旨を定ることなかれ。大にすべからく子細にしてはぢめてうべし。今朝又此の因縁を会せんとするに。忝く卑語をもてす。大衆要聞麼。

【頒古】

我心非仏亦非汝。来往従来在此中。

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