「阿吽の呼吸」とよく聞きますが、一般的に寺院の山門にいる仁王像は向かって右が口を大きく開けて“ア”と言い、左が“ウン”と言っています。“呼吸がピッタリだ!”、“息が合っている!”ということなんですけど、日本語の“あいうえお……ん”という50音順の並びと関係があり、もっとさかのぼればインドにたどり着きます。ちなみに、東大寺南大門の有名な仁王像の安置方法は先の例とは左右逆になっています。
サンスクリット語(梵字)の文字の並びは“ア”から“ウン”となっています。阿“ア”は口を開いて最初に出す音。吽“ウン”は口を閉じて出す最後の音。そこから、それぞれ宇宙の始まりと終わりを表す言葉とされました。インドから中国へ伝わり、そして日本へサンスクリット語の文字の並びが伝わりました。一説には、これを持ってきたのは空海さんだと伝えられています。
今でもインドの言葉ヒンディー語などは“ア”から“ウン”ですし、日本も“ア”から“ン”ということで共通点があるのは当然のことです。
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