仏教寺院において仏像を安置し、礼拝供養するための建物を一般的に仏堂(ぶつどう)と呼び、その中でも中心となる仏堂を一般的に本堂といいます。釈迦如来を本尊としている曹洞宗・臨済宗・黄檗宗などの禅宗寺院では、中心となる本堂を仏殿、大雄寶殿(だいゆうほうでん・だいおうほうでん)と呼ばれる場合が多くあります。仏殿、大雄寶殿は七堂伽藍の中心部に配置されています。なお、東大寺大仏殿など、禅宗寺院以外でも仏殿と呼ばれる建物は多くあります。
一般的な仏殿の外観の特徴としては、小さな斗(ます)や肘木(ひじき)を整然と積み上げ、周囲に幅の狭い裳階(もこし)を巡らして、全体的に背丈の高い外観を作り出していることがあげられます。また堂内は、空間に垂直感をもたらしています。その他、基壇上に礎石と礎盤(そばん)を置き、柱はその礎盤の上に立ち、上下に粽(ちまき)を付けて互いに貫(ぬき)や台輪(だいわ)で連ねられています。寺院によって、建てられた年代、建築様式は異なるため、見比べる楽しみもあります。
(萬福寺 大雄寶殿)
<< 戻る