兜率天は、都率・兜術・兜率陀・覩史多・トゥシタ天などと表記され、仏教の世界観における天上にあるすばらしく楽しいところ。ブッダ(お釈迦様)はこの世に生まれる前にトゥシタ天に住し、そこから没して、カピラヴァストゥ城の近くのルンビニ園で生まれたという伝説が初期仏教の頃には確認出来ます(「ブッダの言葉」スッタニパータ)。
兜率は梵語でトゥシタ(tuṣita)「満足させる」という意味で、知足・喜足・妙足などとも意訳されます。後代の仏教の世界観によると、三界の内の欲界における六欲天の第4の天、つまり夜摩天と化楽天との中間にあるとされ、現在の兜率天では弥勒菩薩が修行・説法していると説かれ、ブッダの入滅後56億7千万年後の未来に至ると、ブッダにかわって衆生を救済する為に、この世に出現するといわれています。
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