ヴェーダ(梵語(サンスクリット語): वेद、Veda)とは、紀元前1000年頃から紀元前500年頃にかけてインドで編纂された一連の宗教文書の総称です。 「ヴェーダ」は「知識」を意味し、バラモン教およびヒンドゥーの聖典とされています。長い時間をかけて口伝で伝えられて来たものが後世になって書き留められ、記録されたものです。
また、個別の文書を指すのではなく、「実践的な認識」のことを「ヴェーダ」と表現することがあります。
・「彼は三ヴェーダの奥義に達し、語彙論・活用論・音韻論・語源論(第四のアタルヴァ・ヴェーダと)第五としての史詩に達し、語句と文法に通じ、順世論や偉人の観相に通達し、三百人の少年にヴェーダの聖句を教えていた。」(スッタニパータ【第3 大いなる章】7、セーラ)
ここでいう「三ヴェーダ」とは、『リグ・ヴェーダ』『サーマ・ヴェーダ』『ヤジュル・ヴェーダ』で、続いて『アタルヴァ・ヴェーダ』が列せられています。
『リグ・ヴェーダ』はホートリ祭官に所属。神々への韻文讃歌(リチ)集。インド・イラン共通時代にまで遡る古い神話を収録。全10巻。10巻は最新層のものだと考えられ、『アタルヴァ・ヴェーダ』の言語につながるもの。
『サーマ・ヴェーダ』はウドガートリ祭官に所属。『リグ・ヴェーダ』に材を取る詠歌(サーマン)集。インド古典音楽の源流で、声明にも影響を及ぼしている。
『ヤジュル・ヴェーダ』はアドヴァリュ祭官に所属。散文祭詞(ヤジュス)集。神々への呼びかけなど。『黒ヤジュル・ヴェーダ』、『白ヤジュル・ヴェーダ』の2種類がある。
『アタルヴァ・ヴェーダ』はブラフマン祭官に所属。呪文集。他の三つに比べて成立が新しい。後になってヴェーダとして加えられた。
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