業(ごう)- カルマ
業の本来の意味は、行為のことをいいますが、因果関係と組み合わせて考えられることで、前々から存在して機能する一種の力としてみなされるようになりました。そこで一つの行為は、必ず善悪・苦楽の果報をもたらすという、業による輪廻思想が生まれ、業が前世から来世にまで引き延ばされて説かれるようになりました。また、個人の業・社会的広がりを持つ業など、種々の別が立てられました。これら業の考え方は、インド一般の社会通念として、インド諸思想に大きな影響を与え、仏教にも採用された考え方です。なお、未来に向かっての人間の努力する行為を強調するものであれば問題ないのですが、宿業(前世につくった業)説になると、それとは逆に...