【仏教用語/人物集 索引】

『正法眼蔵随聞記』105、衣食の事兼ねてより思いあてがふ事なかれ

投稿日:1235年6月11日 更新日:

示して云く、衣食の事、兼ねてより思いあてがう事なかれ。
もし失食絶煙の時、その処にして乞食せん、その人に用事云わんなんど思いたるも、即ち物をたくわえ、邪食にて有るなり。衲子は雲の如く定まれる住処もなく、水の如く流れてゆきてよる所もなきを、僧とは云うなり。たとひ衣食の外に一物も持たずとも、一人の檀那をもたのみ、一類の親族をも思いたらんは、即ち自他ともに結縛の事にて、不浄食にてあるなり。

是くのごとき不浄食等をもてやしないもちたる身心にて、諸仏の清浄の大法を悟らん、心得んと思うとも、何にもかなうまじきなり。たとえば藍にそめたる物は青く、蘗にそめたる物は黄なるが如くに、邪命食をもてそめたる身心は即ち邪命身なり。この身心をもて仏法をのぞまば、沙をおして油を求むるが如し。ただ時にのぞみて、兎も角も道理にかなうようにはからうべきなり。兼ねて思いたくわえるは皆たがう事なり。能々思量すべきなり。

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『正法眼蔵随聞記』

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