【仏教用語/人物集 索引】

ブッダ最後の旅【 第3章 】11、悪魔との対話

投稿日:1999年2月15日 更新日:

【 第3章 】

11、悪魔との対話

7 そこで、悪魔・悪しき者は、若き人アーナンダが去ってまもなく、尊師に近づいて、一方に立った。一方に立った悪魔・悪しき者は、尊師にこのように言った。

「尊い方よ。尊師は今ニルヴァーナにお入り下さい。幸いな方(ブッダ)は今ニルヴァーナにお入りください。今こそ尊師のお亡くなりになるべき時です。尊師はかつてこの言葉を仰せられました。

『悪しき者よ。我が修行僧である我が弟子どもが、賢明にして、よく身を整え、事柄を確かに知っていて、学識があり、法を保ち、法に従って行い、正しい実践をなし、適切な行いをなし、みずから知ったこと及び師から教えられたことを保って、解説し、説明し、知らしめ、確立し、開明し、分析し、明らかにし、異論が起こった時には、道理によってそれをよく説き伏せて、教えを論じ返し得ないものとして説くようにならないならば、その間は、わたしはニルヴァーナに入りはしないであろう』と。


(2004年 管理人撮影/菩提樹)

8 ところが今や尊師修行僧ら、弟子どもは賢明にして、よく身を整え、事柄を確かに知っていて、学識があり、法を保ち、法に従って行い、正しい実践をなし、適切な行いをなし、みずから知ったこと及び師から教えられたことを保って、解説し、説明し、知らしめ、確立し、開明し、分析し、明らかにし、異論が起こった時には、道理によってそれをよく説き伏せて、教えを論じ返し得ないものとして説いています。尊い方よ。尊師ニルヴァーナにお入り下さい。幸いな方は今ニルヴァーナにお入りください。今こそ尊師がお亡くなりになるべき時です。

尊い方よ。尊師はこのように言われました。
・・・悪しき者よ。弟子である我が修行尼たちは、・・・
・・・弟子である在俗信者たちは、・・・
・・・弟子である在俗信女たちは、賢明にして、よく身を整え、事柄を確かに知っていて、学識があり、法を保ち、法に従って行い、正しい実践をなし、適切な行いをなし、みずから知ったこと及び師から教えられたことを保って、解説し、説明し、知らしめ、確立し、開明し、分析し、明らかにし、異論が起こった時には、道理によってそれをよく説き伏せて、教えを論じ返し得ないものとして説いています。尊い方よ。尊師ニルヴァーナにお入り下さい。幸いな方は今ニルヴァーナにお入りください。今こそ尊師がお亡くなりになるべき時です。

尊い方よ。また実に尊師はこの言葉を仰せられました。『悪しき者よ。我がこの清浄行が成就され、栄え、増大し、広がり、多くの人々に知られ、行き渡り、ついに神々や人々によく説き明かされないであろう間は、わたしはニルヴァーナに入らないであろう』と。しかるに、尊い方よ。今や尊師の清浄行は成就され、栄え、増大し、広がり、多くの人々に知られ、行き渡り、ついに人々のためによく説き明かされています。今こそ尊師ニルヴァーナにお入り下さい。幸いな方は今ニルヴァーナにお入りください。今こそ尊師がお亡くなりになるべき時です。

9 このように言われたので、尊師は悪魔に次のように言われた。
「悪しき者よ。あなたは心あせるな。久しからずして修行完成者のニルヴァーナが起こるであろう。今から三か月過ぎて後に修行完成者は亡くなるであろう」と。

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※このページは学問的な正確性を追求するものではありません。前知識のない一般の方でも「読んでみよう!」と思ってもらえるよう、より分かりやすく読み進めるために編集しています。漢字をひらがなに、旧字体を新字体に、送り仮名を現代表記に、( )にふりがなをつけるなど、原文に忠実ではない場合があります。

なお、底本としてパーリ語経典長部の『大般涅槃経』(マハー・パリニッバーナ・スッタンタ)を使用していますが、学問的な正確性を追求する場合、参考文献である『「ブッダ最後の旅」中村元訳 岩波文庫』を読むようおすすめします。なお、章題/節題は比較しやすいよう同じにしました。

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