【仏教用語/人物集 索引】

『教行信証』化身土巻 - 末04

投稿日:1224年1月1日 更新日:

 『大方等大集経』巻第六「月蔵分」中に「諸天王護持品第九」に言わく、「爾の時に世尊、世間を示すが故に、娑婆世界の主大梵天王に問うて言わまく、「此の四天下に、是れ誰か能く護持養育を作す」と。

 時に娑婆世界主大梵天王、是くの如きの言を作さく、「大徳婆伽婆。兜率陀天王、無量百千の兜率陀天子と共に北鬱単越を護持し養育せしむ。他化自在天王、無量百千の他化自在天子と共に東弗婆提を護持し養育せしむ。化楽天王、無量百千の化楽天子と共に南閻浮提を護持し養育せしむ。須夜摩天王、無量百千の須夜摩天子と共に西瞿陀尼を護持し養育せしむ。

 大徳婆伽婆。毘沙門天王、無量百千の諸夜叉衆と共に北鬱単越を護持し養育せしむ。提頭頼吒天王、無量百千の乾闥婆衆と共に東弗婆提を護持し養育せしむ。毘楼勒天王、無量百千の鳩槃荼衆と共に南閻浮提を護持し養育せしむ。毘楼博叉天王、無量百千の龍衆と共に西瞿陀尼を護持し養育せしむ。

 大徳婆伽婆。天仙七宿・三曜・三天童女、北鬱単越を護持し養育せしむ。彼の天仙七宿は虚・危・室・壁・奎・婁・胃なり。三曜は鎮星・歳星・熒惑星なり。三天童女は鳩槃・弥那・迷沙なり。大徳婆伽婆。彼の天仙七宿の中に、虚・危・室の三宿は是れ鎮星の土境なり。鳩槃は是れ辰なり。壁・奎の二宿は是れ歳星の土境なり。弥那は是れ辰なり。婁・胃の二宿は是れ熒惑の土境なり。迷沙は是れ辰なり。大徳婆伽婆。是くの如き天仙七宿・三曜・三天童女、北鬱単越を護持し養育せしむ。

 大徳婆伽婆。天仙七宿・三曜・三天童女、東弗婆提を護持し養育せしむ。彼の天仙七宿は昴・畢・觜・参・井・鬼・柳なり。三曜は太白星・歳星・月なり。三天童女は毘利沙・弥偸那・羯迦吒迦なり。大徳婆伽婆。彼の天仙七宿の中に、昴・畢の二宿は是れ太白の土境なり。毘利沙は是れ辰なり。觜・参・井の三宿は是れ歳星の土境なり。弥偸那は是れ辰なり。鬼・柳の二宿は是れ月の土境なり。羯迦吒迦は是れ辰なり。大徳婆伽婆。是くの如き天仙七宿・三曜・三天童女、東弗婆提を護持し養育せしむ。

 大徳婆伽婆。天仙七宿・三曜・三天童女、南閻浮提を護持し養育せしむ。彼の天仙七宿は星・張・翼・軫・角・亢・氐なり。三曜は日・辰星・太白星なり。三天童女しゃく訶・迦若・兜羅なり。大徳婆伽婆。彼の天仙七宿の中に、星・張・翼は是れ日の土境なり。しゃく訶は是れ辰なり。軫・角の二宿は是れ辰星の土境なり。迦若は是れ辰なり。亢・氐、二の宿は是れ太白の土境なり。兜羅は是れ辰なり。大徳婆伽婆。是くの如き天仙七宿・三曜・三天童女、南閻浮提を護持し養育せしむ。

 大徳婆伽婆。彼の天仙七宿・三曜・三天童女、西瞿陀尼を護持し養育せしむ。彼の天仙七宿は房・心・尾・箕・斗・牛・女なり。三曜は熒惑星・歳星・鎮星なり。三天童女は毘離支迦・擅㝹婆・摩伽羅なり。大徳婆伽婆。彼の天仙七宿の中に、房・心の二宿は是れ熒惑の土境なり。毘利支迦は是れ辰なり。尾・箕・斗の三宿は是れ歳星の土境なり。擅㝹婆は是れ辰なり。牛・女の二宿は是れ鎮星の土境なり。摩伽羅は是れ辰なり。大徳婆伽婆。是くの如き天仙七宿・三曜・三天童女、西瞿陀尼を護持し養育せしむ。

 大徳婆伽婆。此の四天下に南閻浮提は最も殊勝なりとす。何を以ての故に。閻浮提の人は勇健聡慧にして、梵行、仏に相応す。婆伽婆、中に於いて出世したまう。是の故に四大天王、此に倍増して此の閻浮提を護持し養育せしむ。十六の大国有り。謂わく、鴦伽摩伽陀国・傍伽摩伽陀国・阿槃多国・支提国なり。此の四の大国は、毘沙門天王、夜叉衆と囲遶して護持し養育せしむ。迦尸国・都薩羅国・婆蹉国・摩羅国、此の四の大国は、提頭頼吒天王、乾闥婆衆と囲遶して護持し養育せしむ。鳩羅婆国・毘時国・槃遮羅国・疎那国、此の四の大国は、毘楼勒叉天王、鳩槃荼衆と囲遶して護持養育せしむ。阿湿婆国・蘇摩国・蘇羅吒国・甘満闍国、此の四の大国は、毘楼博叉天王、諸の龍衆と囲遶して護持し養育せしむ。

 大徳婆伽婆。過去の天仙、此の四天下を護持し養育せしが故に、亦皆是くの如き分布安置せしむ。後に於いて、其の国土・城邑・村落・塔寺・園林・樹下・塚間・山谷・曠野・河泉・陂泊乃至海中宝洲・天祠に随いて、彼の卵生・胎生・湿生・化生に於いて、諸龍・夜叉・羅刹・餓鬼・毘舎遮・富単那・迦吒富単那等、彼の中に生じて、彼の処に還住して繫属する所無し。他の教を受けず。是の故に、願わくは、仏、此の閻浮提の一切国土に於いて、彼の諸鬼神、分布安置して、護持の為の故、一切諸の衆生を護らんが為の故に、我等、此の説に於いて随喜せんと欲う」と。

 仏の言わく、「是くの如き、大梵、汝が所説の如し」と。
 爾の時に、世尊、重ねて此の義を明かさんと欲しめして、偈を説きて言わく、

世間に示現するが故に、導師、梵王に問わまく、
此の四天下に於いて、誰か護持し養育せんと。
是くの如き天師・梵・諸天王を首として、
兜率・他化天・化楽・須夜摩、
能く此くの如き四天下を護持し養育せしむ。
四王及び眷属、亦復能く護持せしむ。
二十八宿等及以び十二辰・
十二天童女、四天下を護持せしむ。
其の所生の処に随いて、龍・鬼・羅刹等、
他の教を受けずは、彼に於いて還りて護を作さしむ。
天神等、差別して、願じて、仏、分布せしめたまえり。
衆生を憐愍せんが故に、正法の燈を熾然ならしむ。

(化身土巻 - 末 は続く)

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