【仏教用語/人物集 索引】

『教行信証』化身土巻 - 末

投稿日:1224年1月1日 更新日:

顕浄土方便化身土文類六

愚禿釈親鸞集

 夫れ、諸の修多羅に拠りて真偽を勘決して、外教邪偽の異執を教誡せば、

 『涅槃経』(如来性品)に言わく、「仏に帰依せば、終に更た其の余の諸天神に帰依せざれ」と。略出

 『般舟三昧経』に言わく、「優婆夷、是の三昧を聞きて学ばんと欲わば、乃至 自ら仏に帰命し、法に帰命し、比丘僧に帰命せよ。余道に事うることを得ざれ、天を拝することを得ざれ、鬼神を祠することを得ざれ、吉良日を視ることを得ざれ」と。已上

 又言わく(般舟三昧経)、「優婆夷、三昧を学ばんと欲わば、乃至 天を拝し神を祠祀することを得ざれ」と。略出

 『大乗大方等日蔵経』巻第八「魔王波旬星宿品の第八の二」に言わく、「「爾の時に佉盧虱吒、天衆に告げて言わく、「是の諸の月等、各おの主儅有り。汝、四種の衆生を救済すべし。何者をか四とする。地上の人・諸龍・夜叉・乃至蝎等を救けん。斯くの如きの類、皆悉く之を救けん。我、諸の衆生を安楽するを以ての故に星宿を布置す。各おの、分部・乃至摸呼羅の時等有り。亦皆具に説かん。其の国土方面の処に随いて、所作の事業、随順し増長せん。」

 佉盧虱吒、大衆の前にして、掌を合わせて説きて言わまく、「是くの如き、日・月・年時・大小星宿を安置す。何者をか名づけて「有六時」とするや。正月・二月を「えん暖時」と名づく。三月・四月を「種作時」と名づく。五月・六月は「求降雨時」なり。七月・八月は「物欲熟時」なり。九月・十月は「寒涼の時」なり。十有一月、合して十二月は「大雪の時」なり。是れ十二月を分かちて六時とす。又、大星宿、其の数、八有り。謂わゆる、歳星・熒惑・鎮星・太白・辰星・日・月・荷羅睺星なり。又、小星宿、二十八有り。謂わゆる、昴より胃に至るまでの諸宿、是れなり。我、是くの如き次第安置を作す。其の法を説き已りぬ。汝等皆、須く亦見、亦聞くべし。一切大衆、意に於いて云何。我が置く所の法、其の事、是れ二十八宿及び八大星の所行諸業に不ず。汝が喜楽は、是の為、非の為にせず。宜しく各おの宣説すべし。」

 爾の時に一切天人・仙人・阿修羅・龍・及び緊那羅等、皆悉く掌を合わせて、咸く是の言を作さく、「今、大仙の如きは、天人の間に於いて最も尊重とす。乃至諸龍及び阿修羅、能く勝れたる者無けん。智慧・慈悲、最も第一とす。無量劫に於いて忘れず、一切衆生を憐愍するが故に、福報を獲、誓願満ち已りて、功徳、海の如し。能く過去・現在・当来・一切諸事・天人の間を知るに、是くの如きの智慧の者有ること無し。是くの如きの法用、日夜・刹那及び迦羅時・大小星宿・月半・月満・年満の法用、更に衆生、能く是の法を作すこと無けん。皆悉く随喜し安楽ならん。我等、善いかな。大徳、衆生を安穏す。」

 是の時、佉盧虱吒仙人、復た是の言を作さく、「此の十二月・一年始終、此くの如き方便す。大小星等、刹那時法、皆已に説き竟りぬ。又復、四天大王を須弥山の四方面所に安置す。各おの一王を置く。是の諸の方所にして各おの衆生を領す。北方天王を「毘沙門」と名づく。是れ其の界の内に多く夜叉有り。南方天王を「毘留荼」と名づく。倶に是れ其の界の内に多く鳩槃荼有り。西方天王を「毘留博叉」と名づく。是れ其の界の内に多く諸龍有り。東方天王を「題頭隷吒」と名づく。是れ其の界の内に乾闥婆多し。四方・四維、皆悉く一切洲渚及び諸の城邑を擁護す。亦、鬼神を置きて之を守護せしむ。」

 爾の時に佉盧虱吒仙人、諸天・龍・夜叉・阿修羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等・一切大衆に於いて、皆称して「善いかな」、歓喜無量なることを為す。是の時に天・龍・夜叉・阿修羅等、日夜に佉盧虱吒を供養す。
 次に復た後に無量世を過ぎて、更た仙人有らん。「伽力伽」と名づけん。世に出現して、復た更に別して諸の星宿・小大月の法・時節要略を説き置かん。」

(化身土巻 - 末 は続く)

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