中道(ちゅうどう)
中道とは、二つの対立するものを離れていることです。原始仏教では厳しい苦行と快楽主義の両極端を退けた考え方ですが、単に二つの中間をとるというのではなく、二つの極端から離れた自由な立場を表しているので、矛盾や対立を超越していることになります。ブッダ(お釈迦様)は厳しい苦行と何不自由がない生活を体験した上で、中道こそが真理へ到る修行方法だと気付いたのでした。出家をする前のブッダはシッダッタという名前で、釈迦族の王子でした。地方の統治者の王子として恵まれて育ったシッダッタは、望まなくとも何不自由がない中で生活していたと考えられています。その後、真理(悟り)を求めるために出家の決意を決めたシッダッタは、...