【仏教用語/人物集 索引】

『伝光録』第二十六祖。不如密多尊者。

投稿日:2004年1月12日 更新日:

【本則】

第二十六祖。不如密多尊者。太子時二十五祖問曰。汝欲出家当為何事。師曰。我若出家不為別事。祖曰。不為何事。師曰。不為俗事。祖曰。当為何事。師曰。当為仏事。祖曰。太子智恵天至。必諸聖降迹。祖即許出家。

【機縁】

師者南印度。得勝王之太子也。二十五祖始中印度伏無我尊外道。即到南印度。時彼国王名天徳。迎請供養。王有二子。一凶暴而色力充盛。一柔和而長嬰疾苦。祖乃為陳因果。王頓釈所疑。王天徳崩後。太子得勝即位。復信外道致難于祖。太子不如密多以進諫被囚。王遽問祖曰。予国素絶妖怪。師所伝者当是何宗。祖曰。王国昔来実無邪法。我所伝者即是仏宗。王曰。仏滅已千二百載。師従誰得耶。祖曰。飲光大士親受仏印。展転至二十四世師子尊者。我従彼得。王曰。予聞。師子比丘不能免於刑戮。何能伝法後人。祖曰。我師難未起。密授我信衣法偈。以顯師承。王曰。其衣何在。祖即於嚢中出衣示王。王命焚之。五色相鮮薪尽如故。王即追悔致礼。師子真嗣既明。乃赦太子。太子遂求出家。祖問太子曰。汝欲出家。当為何事乃至祖許出家。

【拈提】

然しより執事すること六年。後に如来の正法眼蔵を伝付するに。いはく。如来より嫡嫡属累していまにいたる。まさに伝持してよく群有を化すべし。師密記をうくる時。身心釈然たり。上来の因縁即ちその事の為に非ざることを示す。故に問て曰く。汝欲出家。当為何事。いはく。我為仏事。事といふは俗事。実に出家はもとより事の為にあらざること。ここをもて知識しつべし。それ事といふは自の事にあらず。他の事にあらす。ゆへにいふ俗事の為にあらずと。たとひ髮をそり衣をそめて。かたちを仏子に似せたりとも。なを自見他見をまぬかれず。もし男女の相をはなれずんは。悉くこれ俗事なり。仏事にあらずは。しばらく人人の本心によりて談する時。すべて仏事なく。俗事なしといへども。未知本心。しばらく俗事といふ。すでに本心をあきらめ得るをこれを仏事と名く。本心知得の時なを生相なく。滅相なし。なにいはんや迷人なり。悟人ならんや。かくのごとく見得する時。四大五蘊なを存せず。三界六道あに立することあらんや。ゆへに家としてすつべきところなく。身としてをくべきところなきゆへに出家といふ。住すべきところなきがゆへに家破れ人亡しぬ。故に生死涅槃ともにはらはざるにをのづからつき。菩提煩悩すてざるに本来はなる。今日ただかくのごとくなるのみにあらず。劫より劫にいたるまで。もとより成住壊空の四劫にもうつされず。生住異滅の四相にも縛せられず。廓然として空の内外なきがごとく。清浄にして水の表裏なきに似たり。人人の本心悉皆かくのごとし。然も在家とをそるべからず。出家とをごるべからず。只外に向ひてもとむることをやめて。すべからくをのれに向て弁ずべし。こころみに汝諸人しばらく心を東西に散ぜず。眼を前後にめぐらさずして。子細に見来らば。此の時なにをよんでかわれとし。なにをよんでかかれとせん。已でに自他あひむかふことなし。更になにをなづけてか善悪といはん。もし恁麼ならば。本心もとよりあらはれて明かなること日月のごとし。幽としててらさずといふところなし。すなはち適来の因縁挙似せんとするに。また卑語あり。きくべし。

【頒古】

本地平常無寸草。宗風何処作安排。

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