【仏教用語/人物集 索引】

『伝光録』第二十三祖。鶴勒那尊者。

投稿日:2004年1月12日 更新日:

【本則】

第二十三祖。鶴勒那尊者。因摩拏羅尊者示曰。我有無上大法宝。汝当聴受化未来際。師聞契悟。

【機縁】

師者月支国之人也。姓婆羅門。父千勝。母金光。以無子故祷于七仏金幢。即夢須弥山頂一神童持金環云我来。覚而有孕。年七歳遊行聚落。覩民間淫祀。乃入廟吒之曰。汝妄興禍福幻惑人。歳費牲牢。傷害斯甚。言訖廟貎忽然而壊。由之郷黨謂之聖子。年二十二出家。三十遇摩拏羅尊者。師を鶴勒那といふ。勒那梵語。鶴即華言。梵漢引合て鶴勒那と云。もろもろの鶴ありて師にしたがふ。これによりて名とす。然るに摩拏羅にあひたてまつる。はじめ種種の奇特。一一に挙すべしといへども。ただその一因縁を挙せん。師問尊者曰。我有何縁而感鶴衆。尊者曰。汝第四劫中嘗為比丘。当赴会龍宮。汝諸弟子咸欲随従。汝観五百衆中。無有一人堪任妙供。時諸子曰。師常説法。於食等者於法亦等。今既不然。何聖之有。汝即令赴会自汝捨生赴生転化諸国。其五百弟子以福微徳薄生於羽族。今感汝之恵。故為鶴衆相随。師聞語曰。以何方便令彼解脱。尊者曰。我有無上法宝乃至。

【拈提】

実に食等法等の道理。聖凡ともにへだてなし。然るに理のおすところ。師資ともに龍宮の請におもむくといへども。福微に徳薄きの身をもて。妙供をうくるにたへざるによりて羽族となりぬ。この因縁尤も学人の用心としつべし。それ説法も差別なし。食も等同なるべし。然るにあるひは信施を消すあり。あるひは信施にをかさるるあり。ここにいたりて齊等ならざるに似り。尤も差別といふつべし。ゆへいかんとなれば。もし食をみ法をみば。たとひ齊等とみるといへども。一同なりと会すといへども。すでに法をみる分あり。食をみる分あり。両箇の見のがれず。貪求の心に惑はされて。師にしたがひてをもむきしによりて。遂に羽族となれり。しりぬ食等法等の理に達せず。まさしく名字有相に縛せられけり。いまいふ無上の大法のごときは。なにをか食といひ。なにをか法といはん。いづれかこれ聖。いづれかこれ凡。すでに形影のいたるべきものにあらず。なを心性ともなづけがたし。この法なを仏にうけず。祖にうけず。子にさづけず。父につたへず。自他といふべき物なし。食法の名いづくよりかゑきたらんや。いはんや赴請のところあらんや。鶴衆となることあらんや。ゆへに子細に眼をつけ。委悉に功夫して先ず。すべからく自心本性の霊廓妙明なることをしりて。よく保持し。ふかく純熟して。更に仏祖伝灯の事あることをしりて。はじめてうべし。たとひ自己本性の旨をあきらめて。解脱するところすでに仏祖にをなじといへども。更にまた聴受すべき無上の大法宝あり。よく未来際を化す。これ本性の道理にあらず。いはんや見聞の境界ならんや。はるかに古今の情を超越し。もとより生仏のきはにとどまることなし。故にこの人をよんで仏とすることもゑず。凡とすることもゑず。堂にありて正坐せざれば。両頭の機にわたることなし。故に影をもとむれどもゑず。あとをたづぬれどもえず。このきはにいたりぬれば。心性とは何物ぞ。菩提とは何物ぞ。一嘔に嘔尽し。一屙に屙尽す。かくのことくなる時。これ沒量の大人なり。恁麼のところにいたらずんば。なをこれ凡夫終に流転の衆生なり。この故に諸人者子細に見得して。無上の大法宝を荷擔せんとおもふべし。これすなはち釈迦老子肉身暖なるべし。ただこの名にとどこほり。形に労することなかれ。参学かならず真実を弁ずべし。這箇の道理を指注せんとおもふに卑語あり。

【頒古】

粉壁挿雲巨嶽雪。純清絶点異青天。

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